担当者 | 難波 美芸 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | CUA-102 |
今日の私たちが暮らす世界では、グローバル化と電子メディアの普及を背景に、異なる文化的背景を持つ人々との接触がある面では増え、またある面では減りつつある。いかに異文化についての知識を増やしても解消できない異質性に私たちはしばしば戸惑い、驚き、喜びを持って迎えることもあれば怒りを持って排除しようとすることもあるだろう。文化人類学はそのような状況に解決策を与えるものではなく、問い、考えるツールを提供してくれる学問である。本講義では、文化の多様性の視点と、フィールドワーク(実地調査)に基づく文化人類学の視点から、多様な生のあり方について学んでいく。後期の授業では特に様々な現代的なテーマにつながる「移動」に焦点を当て、文化人類学的な視点から読み解いていく。
・身近な現象からグローバルな問題まで、文化人類学的な視点から批判的に「問う」力を獲得する。
・授業で学んだ概念を用いて、様々な文化現象や社会問題について考え、自分の意見を持つ。
・自らが異文化に対してもつステレオタイプや先入観に気づき、そのようなステレオタイプが生み出される背景について他者に説明できるようになる。
平常点(コメントペーパー):40%
課題:60%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 竹沢尚一郎 | 人類学的思考の歴史 | 世界思想社 |
参考文献 |
・ほぼ毎回出される課題は準備学修を兼ねている。主に配布される課題図書を読む他、民族誌映画を視聴することで授業内容の理解を深め、人類学的な視点から様々な社会・文化現象について分析する練習を積んでいく。
・文化人類学Ⅰを履修済みであることが望ましいがその限りではない。
・オンライン授業のスクリーンショットの撮影や音声の録音は著作権の侵害にあたるため禁止する。
・オンライン授業で用いる資料の内容や掲載URLを無断でソーシャルメディア等に掲載したり履修者以外に教えることは禁止する。
・対面授業ではないため、学生の状況を把握することがより困難である。学生にはホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底してほしい。(e.g. ネットワーク障害等によって課題提出が遅延する場合は、提出期限よりも1秒でも前に担当教員にメールで連絡する。事前の連絡がない場合には、原則的に提出物を受理しない。)
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション:授業の進め方と評価方法についての説明 |
第2回 | 旅するモノ①:クラ交易 |
第3回 | 旅するモノ②:フェティッシュ |
第4回 | 人の移動①:人類学者のフィールドワーク |
第5回 | 人の移動②:移民・難民研究 |
第6回 | グローバリゼーションズ①:世界は画一化していくのか |
第7回 | グローバリゼーションズ②:グローカリゼーション |
第8回 | 動きながら止まる①:モティリティ |
第9回 | 動きながら止まる②:「外こもり」 |
第10回 | 開発援助①:旅する資本とテクノロジー |
第11回 | 開発援助②:旅する知識と価値 |
第12回 | 移動を支えるインフラストラクチャー①:近代交通の発生 |
第13回 | 移動を支えるインフラストラクチャー②:移動を促し妨げる近代インフラ |
第14回 | なぜ人類学を学ぶのか:他者と住まう世界をどう生きるか |
第15回 | 総括 |