現代企業論Ⅰ
担当者江本 伸哉
単位・開講先選択必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングMAN-203

授業の概要(ねらい)

❶この授業は、春期(現代企業論Ⅰ)と秋期(同Ⅱ)を結合して通年(ⅠとⅡ)で完結するように設計されています。このため、通年受講を強くお勧めします。ただし、学生の皆さんの都合により春期(Ⅰ)のみ、あるいは、秋期(Ⅱ)のみの受講も可とします。
❷企業の真の主役は、法人格をもつ企業そのものではなく、あくまでその企業を指揮する生身の経営者です。この授業は、私の日本経済新聞記者時代の大先輩である永野健二氏の近著『経営者 日本経済生き残りをかけた闘い』(新潮社)を題材に、まず波乱万丈の戦後日本経済を闘い抜き、わが国を代表する企業を育て上げた経営者の生き方と戦略を紹介します。その後、その企業が属する業界・地域が抱える課題、今後の展望などを浮き彫りにします。これによって現代日本企業のリアルな現実を皮膚感覚で理解し、他の人に説明する力、その課題を解決する力を養います。
❸授業で感じた疑問や感想・意見、要望・提案は、その日の授業内容について簡単な復習問題を解いてもらうミニッツペーパー(MP)に書いて提出してください。私なりの回答を「MP通信」にまとめ、次の授業で配ります。学生の皆さんの理解度を確かめ、疑問に答えながら、双方向で授業を進めていきたいと思います。

授業の到達目標

❶教科書1冊を1年かけて深く読み通す根気を身につける。
❷戦後から現代に至るまでの日本の有力企業についての基礎知識を身につけ、他の人に説明できるようになる。
❸現代の日本企業が直面する課題を知り、その解決策を考える力を養う。

成績評価の方法および基準

❶出席回数が3分の2(原則として10回)未満の場合は、(たとえ期末レポートを提出しても)単位を与えません。
❷MP(復習問題)点が60点(MP1枚4点×15回=60点、公欠の場合は2点)。
❸期末レポートが40点。
❹授業中の積極的な発言、MPでの鋭い質問、なるほどという感想・意見、建設的な要望・授業改善提案に対しては、その都度、❷❸とは別に特別加算(5~20点)をします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書経営者 日本経済生き残りをかけた闘い永野健二新潮社
教科書
参考文献バブル 日本迷走の原点永野健二新潮社
参考文献
参考文献日経業界地図2020年版日本経済新聞社日本経済新聞出版社

準備学修の内容

❶授業開始前に必ず教科書を手に入れ、通読してください。分からないことがあっても構わず、最後まで読み通してください。教科書を持っていないと解答できない問題を期末レポートで出題しますので、教科書は必携です。
❷授業の前に教科書のその日の当該箇所をもう一度じっくり読んでください。質問があったら、授業中に聞くか、授業終わりに提出するミニッツペーパー(MP=復習問題)に書いて出してください。
❸企業は生き物であり、どんどん変わっていきます。そのリアルな動きをつかむために、『日本経済新聞』(紙の新聞でも、スマホやタブレット、PCで読める電子版でも構いません)を毎日読む習慣をつけることをお勧めします。図書館でも無料で読めます。

その他履修上の注意事項

❶授業はできるだけ出席しましょう。出席が3分の2(原則10回)未満の場合は単位を与えません。
❷公欠の場合は1か月以内に届けを出してください。MP(復習問題)点2点を与えます。
❸私語、スマホ操作、食事は禁止です。注意しても改めない場合は退場してもらいます。退場した場合は、その日のMPを提出できなくなり、MP点(4点)を失うことになります。
❹学生の皆さんの集中力を維持するため、途中に5分間の休憩を取ります。休憩中は私語、スマホ操作、トイレ、ストレッチ体操など自由です。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(江本自己紹介、授業の進め方、約束事)
教科書「序」日本を支えた「渋沢資本主義」(P7~15)
第2回教科書2 二度引退した"財界鞍馬天狗"中山素平(P36~47)解説
第3回教科書2→金融業界の現状と課題
第4回教科書3 永野重雄の決断ーー新日鉄誕生は是か非か(P48~61)解説
第5回教科書3→鉄鋼業界の現状と課題
第6回教科書4 トヨタが日本一になった日ーー豊田英二の時代(P62~72)解説
第7回教科書4→自動車業界の現状と課題
第8回教科書5 中内功ーー流通革命と『わが安売り哲学』(P74~86)解説
第9回教科書5→総合スーパー(GMS)など流通業界の現状と課題
第10回教科書6 伊藤雅敏と鈴木敏文、今生の別れ(P87~103)解説
第11回教科書6→コンビニ業界の現状と課題
=春期 期末末レポート課題出題
第12回教科書7 藤田田、「青の時代」のトリックスター(P104~116)解説
第13回教科書7→外食業界の現状と課題
第14回教科書8 "プラグマティスト"小倉昌男の企業家精神(P117~133)解説
第15回教科書8宅配・物流業界の現状と課題
=春期 期末レポート提出締切
第16回<ここから秋期>
ガイダンス(自己紹介、授業の進め方、評価方法、約束事など説明)
教科書9ジョブズになれなかった男、出井伸之(P136~152)解説
第17回教科書9→IT・電機業界の現状と課題
第18回教科書10 "最後の財界総理"、奥田碩の栄光と挫折(P153~166)解説
教科書15 豊田章男が背負う「トヨタの未来」(P231~244)解説
第19回教科書10&15→同族経営の功罪
第20回教科書11 土光敏夫も変えられなかった「東芝の悲劇」(P167~182)解説
第21回教科書11→総合電機・重電業界の現状と課題
第22回教科書12 伊夫伎一雄と「溶解する三菱グループ」(P183~201)解説
第23回教科書12→企業グループの現状と課題
第24回教科書14 柳井正の永久革命(P218~230)解説
第25回教科書14→アパレル業界の現状と課題(しまむらvsユニクロ)
第26回教科書16 孫正義が目指すのは企業かファンドか(P245~259)解説
=秋期 期末末レポート課題出題
第27回教科書16→携帯・通信業界の現状と課題
第28回教科書17 稲森和夫が見つけた「資本主義の静脈」(P260~272)
第29回教科書17→京都企業の強みと泣き所
第30回教科書「あとがき」((P273~280)
渋沢資本主義の復習
=秋期 期末レポート提出締切