言語と社会活動
担当者鑓水 兼貴
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングJLE-204

授業の概要(ねらい)

 社会言語学入門。身の回りに存在する言語(主として日本語について扱う)のさまざまなバリエーションを、社会とのかかわりから解説する。使用者の年齢・性別・職業、使用場面、歴史的変化、地理的変異、言語意識などから、言語のバリエーションのあり方を把握できるようにする。
 日常場面においても、使用されている言語にどのような背景があるのかについて、客観的かつ公正な視点で捉えられるようにする。

授業の到達目標

①社会言語学の基本的概念を理解すること。
②身の回りに存在する特徴的な言語現象を、自ら探し出せるようになること。
③具体的な言語現象について、授業で学習した理論や術語を用いて解釈できるようになること。

成績評価の方法および基準

①授業内小課題(到達目標②)40%
②試験(到達目標①・③)  60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『方言学入門』木部暢子・竹田晃子・田中ゆかり・日高水穂・三井はるみ三省堂
参考文献『社会言語学の展望』真田信治くろしお出版
参考文献『社会言語学図集(改訂版) ―日本語・中国語・英語解説―』真田信治・ダニエルロング・朝日祥之・簡月真
秋山書店
参考文献『社会方言学論考』井上史雄明治書院

準備学修の内容

毎回、身の回りに存在する言語現象を探して提出する、という小課題を課す(履修者数によって各人の担当回数は変化する)。

その他履修上の注意事項

①授業中に学生に発言を求めるため、授業への積極的な参加を望む。
②教科書は使用せず、プリントで資料を配布する。過去の授業回のプリントを参照することがあるので、配布資料はすべてまとめておくこと。
③上記以外の参考文献については授業内で紹介する。

授業内容

授業内容
第1回<イントロダクション>
社会と言語の関係について
第2回<文化庁「国語に関する世論調査」>
言語の調査データについて考える
第3回<ことばの「乱れ」>
言葉の「正しさ」とは
第4回<共通語化>
現代日本語の成立について
第5回<言語弱者>
「言語権」とは
第6回<多言語表示>
在日外国人の言語使用について
第7回<ポライトネス>
コミュニケーションにおける配慮とは
第8回<外来語>
世界の中の日本語を考える
第9回<文字と社会>
音声言語と文字言語について
第10回<地理的変異①・東西対立>
日本語の方言について
第11回<地理的変異②・周圏分布>
日本語の歴史について
第12回<社会的変異①・世代差>
言語変化や新語、流行語を考える
第13回<社会的変異②・性差・集団差>
男女の言葉の違い、専門用語、若者言葉を考える
第14回<言語景観>
街中における言語の役割とは
第15回<まとめ>
社会言語学的研究の意義について考える