多摩経済論Ⅰ
担当者德増 秀博
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-211

授業の概要(ねらい)

 多摩地域は、東京都の西部に位置し付加価値の高い技術力をもつ、モノづくり企業が集積しています。大手製造業の工場周辺には研究開発型の中堅・中小製造業、試作や開発を担うモノづくり基盤技術(サポートインダストリー)企業が数多く立地しています。特に大手電機・電子部品製造業の工場及び開発拠点の周辺には、関連する製品の企画開発力を持つ高精度、短納期の外注加工に対応できる基盤技術型中小企業が多く集積しています。また、理工系学部を持つ大学等の教育研究機関に加えて産業支援機関も存在し、企業の技術支援や海外展開のサポートをしております。
 その一方では、企業のグローバル化や構造変化によりる生産拡大などで、多摩地域を離れていく企業もあり、地域経済は大きく変わりつつあります。
 講義では、この多摩地域の産業の現状と発展経緯、産学官連携、TAMA産業活性化協議会の活動を通して、多摩地域の産業経済の変化と将来の方向に対する理解を深めます。
 また、外部講師としては、多摩地域の企業経営者、国及び自治体職員を招聘して、多摩地域の企業、産業振興の話を聴きます。

授業の到達目標

 ・多摩地域の産業を理解することで、地域の経済力とは何かを修得します。
 ・多摩地域の企業、大学、産業支援機関、銀行、行政などの産学官金連携による産業クラスター構築やイノベーション推進の実態を修得します。
 ・近年の「ものづくり」の変化とグローバル化について修得します。

成績評価の方法および基準

 2回の課題レポート(40%)の提出と期末試験(60%)で評価いたします。また授業態度により評価を補完します。
 評価内容については、下記の通りです。
 ①レポート評価-到達目標から課題を出題しますので、出題項目の理解、関連文献内容、自己の意見と結論を求めます。  ②試験の評価-試験項目は授業内容から出題しますので、授業内容の理解、到達目標に対する評価をします。
 なお、詳細な評価につきましては、第1回目の授業で説明いたします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 テキストはプリント配布
 【参考書】授業の最初に提示します。
参考文献

準備学修の内容

 多摩地域の企業について、会社の形態(資本金、従業員等を含む)、事業内容を調査レポートにまとめて ください。また、多摩地域の自治体ホームページに掲載されている統計等に関する資料など事前に調べ準備しておいてください。
 その他、新聞やインターネット、地域経済研究所レポート(多摩信用金庫等)などの地域社会、経済的話題などに関する資料を問題意識を持って読んでください。

その他履修上の注意事項

 2回のレポートは必ず提出すること。成績に大きく影響します。

授業内容

授業内容
第1回多摩地域の地勢と産業構造
第2回多摩地域の工業の変遷
第3回多摩地域の主要産業の現状と産業集積
第4回多摩地域の産業集積と産業構造の転換について
第5回ものづくり産業の変化と研究開発型企業の実態
第6回(外部講師招聘)多摩地域の中小企業経営者による講話
第7回産学官連携の現状と地域経済に与える効果
第8回多摩地域の産業立地の現状(製造業、物流業等)
第9回多摩地域の産業立地の現状と産業立地政策
第10回工場跡地の現状と再利用の課題
第11回(外部講師招聘)統計から見た多摩地域の講話
第12回多摩ニュータウンの現状と課題
第13回多摩地域の観光について
第14回全体を通して多摩地域の産業経済活動のまとめ
第15回まとめと期末試験