日本文化Ⅱ-Ⅱ
担当者川下 俊文
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングJLT-104

授業の概要(ねらい)

本授業では、日本のさまざまな古典芸能について、映像や音源を用いて紹介し、その歴史や特色について概説する。後期では、人形浄瑠璃(文楽)・歌舞伎のなかでも最もよく上演される『仮名手本忠臣蔵』を題材に、史実から演劇への脚色のされ方や、人形浄瑠璃(文楽)と歌舞伎との表現方法の違いについて解説する。

授業の到達目標

①学生は、日本のさまざまな伝統芸能について、特色や面白さを説明することができる。
②学生は、ある一つの説話が、時代やジャンルの変化に応じてさまざまに変容していく過程を把握することができる。

成績評価の方法および基準

各回の小テストおよび期末課題:100%(到達目標①、②)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献新編日本古典文学全集77 浄瑠璃集鳥越文蔵ほか校注・訳小学館、2002
参考文献歌舞伎オン・ステージ8 仮名手本忠臣蔵服部幸雄編著白水社、1994

準備学修の内容

各回の授業で扱う範囲のテキスト(浄瑠璃の詞章、歌舞伎の台本)をLMSで提示するので、事前に読んで作品内容を把握しておくこと。

その他履修上の注意事項

歌舞伎や人形浄瑠璃(文楽)といった伝統芸能について、全く前提知識がなくてもよい。本授業を通じて、どのように伝統芸能を楽しむことができるかを自分なりに学び取ってほしい。
高校までに習う程度の古文および日本史の知識があることが望ましいが、熟達している必要はない。
本授業はオンラインで行う。また、毎週の小テストおよび期末課題をLMSで出題する。これをもって成績評価を行うので、必ず毎週の締切までに回答すること。

授業内容

授業内容
第1回〈ガイダンス〉
本授業の進め方を説明し、扱う予定の伝統芸能について紹介する。
第2回〈赤穂事件の史実〉
忠臣蔵の題材となった、赤穂藩の浪人による吉良邸討入り「赤穂事件」の史実について解説する。
第3回〈赤穂事件と『太平記』〉
赤穂事件の演劇化の経緯、および演劇化の下敷きとなった軍記物語『太平記』について解説する。
第4回〈『仮名手本忠臣蔵』1〉
『仮名手本忠臣蔵』大序について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第5回〈『仮名手本忠臣蔵』2〉
『仮名手本忠臣蔵』二・三段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第6回〈『仮名手本忠臣蔵』3〉
引き続き、『仮名手本忠臣蔵』三段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第7回〈『仮名手本忠臣蔵』4〉
『仮名手本忠臣蔵』四段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第8回〈『仮名手本忠臣蔵』5〉
『仮名手本忠臣蔵』道行および五段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第9回〈『仮名手本忠臣蔵』6〉
『仮名手本忠臣蔵』六段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第10回〈『仮名手本忠臣蔵』7〉
『仮名手本忠臣蔵』七段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第11回〈『仮名手本忠臣蔵』8〉
『仮名手本忠臣蔵』八段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第12回〈『仮名手本忠臣蔵』9〉
『仮名手本忠臣蔵』九段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第13回〈『仮名手本忠臣蔵』10〉
『仮名手本忠臣蔵』十・十一段目について、人形浄瑠璃と歌舞伎を比較する。
第14回〈忠臣蔵外伝〉
『仮名手本忠臣蔵』の外伝として作られた作品群について紹介する。
第15回〈まとめ〉
本学期の授業を振り返るとともに、現代の映画・ドラマにおける忠臣蔵物についても解説する。