日本文化Ⅱ-Ⅰ
担当者川下 俊文
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングJLT-103

授業の概要(ねらい)

本授業では、日本のさまざまな伝統芸能について、映像や音源を用いて紹介し、その歴史や特色について概説する。前期では、源平合戦および源義経の生涯を題材とする作品を選び、各ジャンルにおける描かれ方の違いにも注目してもらう。

授業の到達目標

①学生は、日本のさまざまな伝統芸能について、特色や面白さを説明することができる。
②学生は、ある一つの説話が、時代やジャンルの変化に応じてさまざまに変容していく過程を把握することができる。

成績評価の方法および基準

各回の小レポート:50%
期末レポート:50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

・各回の授業で扱う伝統芸能の演目について、辞書やインターネットで下調べをしておくこと。特に、「文化デジタルライブラリー」(https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/)は参考になることが多い。

その他履修上の注意事項

能楽、歌舞伎、人形浄瑠璃といった伝統芸能について、全く前提知識がなくてもよい。本授業を通じて、どのように伝統芸能を楽しむことができるかを自分なりに学び取ってほしい。
高校までに習う程度の古文および日本史の知識があることが望ましいが、熟達している必要はない。
第1回の授業内でガイダンスを行うので, 必ず出席したうえで履修登録をすること。
私語・飲食・携帯電話の使用といった, 授業の妨げとなる行為は厳禁とする。

授業内容

授業内容
第1回〈ガイダンス〉
本授業の進め方を説明し、扱う予定の伝統芸能について紹介する。
第2回〈源平合戦の史実〉
源平合戦および源義経の生涯について、史実のあらましを確認する。
第3回〈軍記物語〉
源平合戦を扱う文学作品として、軍記物語『平家物語』『源平盛衰記』について解説する。以下、一ノ谷の合戦で熊谷直実が平敦盛を討った「敦盛最期」の段を例にとる。
第4回〈平曲『敦盛最期』〉
『平家物語』を琵琶の伴奏によって語る芸能「平曲」について解説する。
第5回〈幸若舞『敦盛』〉
室町時代、武士の間で流行した舞踊「幸若舞」について解説する。
第6回〈能楽『敦盛』1〉
室町時代に発祥し、江戸時代には武士の式楽として重んじられた芸能「能楽」のうち、亡霊が過去を物語る形式をとる「夢幻能」について解説する。
第7回〈能楽『敦盛』2〉
前回に引き続き、夢幻能について解説する。
第8回〈人形浄瑠璃『一谷嫩軍記』1〉
江戸時代の大衆娯楽として人気を博した人形劇「人形浄瑠璃」について解説する。
第9回〈人形浄瑠璃『一谷嫩軍記』2〉
前回に引き続き、人形浄瑠璃について解説する。
第10回〈『義経記』〉
源義経の生涯を扱う文学作品として、軍記物語『義経記』について解説する。以下、義経都落ちのエピソード「安宅関」を例にとる。
第11回〈能楽『安宅』1〉
能楽のうち、現在進行形で筋が展開する「現在能」について解説する。
第12回〈能楽『安宅』2〉
前回に引き続き、現在能について解説する。
第13回〈歌舞伎『勧進帳』1〉
江戸時代の大衆娯楽として人気を博した演劇「歌舞伎」について解説する。
第14回〈歌舞伎『勧進帳』2〉
前回に引き続き、歌舞伎について解説する。
第15回〈まとめ〉
本学期の授業を振り返るとともに、現代の映画やドラマにおける源平合戦の描写についても紹介する。