ソーシャルビジネス実習
担当者久米  隼
単位・開講先選択必修B  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSWS-202

授業の概要(ねらい)

ソーシャルビジネスとは、ビジネスを手段としてさまざまな社会的課題の解決を試み、それらを通して新しい社会的価値を創出する取り組みです。
 本学のある立川、八王子、多摩地域では、ソーシャルビジネスを展開する多くの社会的企業が活躍しています。
 本授業では、本学近隣地域でソーシャルビジネスを展開している、社会的企業の皆様と連携してPBL型の授業を行うことにより、地域社会で活躍できる人材を育てることを目的としています。
 PBLとは、Problem-based learning(課題解決型学習)もしくはProject-based learning(プロジェクト型学習)と呼ばれ、企業や地域、教員、もしくは学生が設定した課題や目標に対して、受講生たちがチームで取り組む教育手法です。PBLには、明確な答えがないため、受講生たちが自律的・主体的に取り組むことが必要不可欠です。
 本授業では、協力いただく事業所から協働可能な内容をご提示いただき、受講生たちがプロジェクトの具体的な内容を企画立案します。
 計画したプロジェクトは、実際に実施します。
 そのため、本授業ではクラス全員が、プロジェクトの成功をともに考え、そのために必要なアクションについて、命令や権限に関係なく自分自身で、そして仲間と一緒に動き出すといった、「権限なき自然発生的なリーダーシップ(日向野・松岡 2017)」の開発を重視しています。
 
 ※2019年度のプロジェクトの内容と様子はこちらを参照してください。
 帝京大学八王子キャンパスニュース https://www.teikyo-u.ac.jp/campus_news/hachioji/2020/0115_8818.html
 
 本授業でご協力いただく社会的企業及び、予定しているPBLの内容は以下の通りです(順不同)。
 
1.株式会社 キャリア・マム:女性キャリア支援事業(http://www.c-mam.co.jp/)
<PBL内容>
①キャリア・マムが運営する「おしごとカフェ(ココリア多摩センター5F)」や、「東京都認定インキュベーション施設 コワーキングCoCoプレイス(ココリア多摩センター7F)」などの、事業紹介コンテンツ(SNSや動画、配付物等)の制作・提案・配信等。
②多摩市の子どもたちや、親子を対象としたイベント
 
2.認定NPO法人 育て上げネット:若者支援事業(https://www.sodateage.net/)
<PBL内容>
無業・引きこもり状態、その他さまざまな生きづらさを抱えている若者とのフットサル大会

3.認定NPO法人 多摩草むらの会:精神障害者就労支援事業(http://kusamura.org/)
<PBL内容>
①スタッフ・利用者とのイベント企画
例:トーナメントの企画(将棋大会、麻雀大会、バレーボール大会)
例:音楽コラボセッションと発表会(ラップ、楽器バンド、コーラス)
②同法人が運営する福祉農園を会場としたイベント

4.医療法人社団 康明会:高齢者支援事業(http://www.komei-mc.or.jp/komeikai-hospital/)
<プロジェクト内容>
デイケアサービスにおける、各種レクリエーションイベントの企画、学内サークルやその他個人・団体とのマッチング企画

 春期授業においては、秋期実習(夏期現場実習およびPBLの実施)に向けた学習および準備を行います。
 春期授業を踏まえて、受講生は夏期現場実習先および参加するプロジェクトを選択します

授業の到達目標

・「ソーシャルビジネス」という概念を理論的・実践的側面から考え、理解し、「自分事」として行動につなげることができる。
・一連のカリキュラムを通して、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・発表する」ことを経験し、その力を具体的に身に付けながら、学びを深めることができる。
・卒後、地域社会で発揮できるための、論理的思考や協調性、職業意識を育成し、それを学生自身が考える「就業力」につなげることができる。
・現代社会における「仕事」「働く」ことについて社会学的に考え、自分なりの「答え」を探求し、それを言語化することができる。

成績評価の方法および基準

 夏の実習状況(10%)、授業の参加状況・貢献度(60%)、発表(報告会)(10%)、報告書提出(20%)から総合的に評価します。
 出席は原則8割以上を前提とします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献「増補版」大学教育アントレプレナーシップ いかにリーダーシップ教育を導入したか日向野幹也・松岡洋祐ブックウェイ

準備学修の内容

授業時、授業外においても、担当教員や他の学生たちと積極的にコミュニケーションをとってください。

その他履修上の注意事項

・実践の中で学び、その学びを言語化して伝える楽しさと難しさを、存分に経験し、自分の糧としてください。そして、社会の中のいち「チェンジメーカー」として、自分だからこそできることを模索し、大いに奮闘してください。
・学内外の多様な方々と進めていくという授業の性質上、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をしっかり行うことが求められます。したがって、卒業後の職業人にとって基本的な対応(返事をきちんと返す、人任せにしない、約束事は守る、困ったことは相談する、情報を共有する、等)ということを常に心がけてください。著しくできていない場合は、具体的な対応・対策を求めます。
 ※授業の予定は状況によって変更となる場合があります。日程等も含めて、初回授業で説明します。
 ※本科目は、春期「ソーシャルビジネス実習基礎」履修者を対象としています。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション・実習の振り返りと今後の進め方について
進捗状況の報告と確認
第2回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第3回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第4回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第5回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第6回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第7回プロジェクトの実施①
第8回プロジェクトの実施②
第9回プロジェクトの実施③
第10回プロジェクトの実施④
第11回振り返り
報告書執筆・報告会について
第12回報告書執筆
報告会の準備
第13回報告書執筆
報告会の準備
第14回報告会の開催
第15回まとめ