東洋政治思想史Ⅱ
担当者陳  佑真教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHIT-204

授業の概要(ねらい)

〇中国史の背景としての政治思想
 この授業では、古代から近代に至る中国歴代の政治思想の歴史上の変遷について学習します。
 中国では早い時期から、政治の方法や君主と臣下の関係などについて盛んに議論されてきました。中国思想の特徴は、抽象的な議論に終止せず、常に現実社会の問題と密接に結びついていたことにあります。歴史事件の背景にある思想を知ると、暗記中心だった歴史の学習がもっと楽しく、もっと意義深いものとなるでしょう。
 後期では、北宋時代から清朝滅亡までの時期の政治思想を、それぞれの時代に存在した具体的な政治上の問題と絡めて分析してゆきます。

授業の到達目標

☆1:中国の歴史上登場した様々な思想について理解できるようになる。
☆2:歴史上の出来事とその背景にある政治思想を結びつけ、歴史について多角的に考える能力を獲得する。

成績評価の方法および基準

授業への参加姿勢(50%・コメントペーパーを配布し、疑問や考えたことを記入していただきます)・授業内試験(50%・授業でお話ししたことの理解度を測るものです)によって評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 プリントを配布します。
参考文献 授業で扱うテーマが多岐にわたるので参考文献はその都度ご紹介しますが、全般に関するものとしては以下をおすすめします。
参考文献『中国思想史』・武内義雄岩波全書
参考文献『概説中国思想史』・湯浅邦弘編著ミネルヴァ書房

準備学修の内容

高等学校世界史科目の宋代から清代の中国史に関する内容について、不安のある方は教科書を復習しておいてください。
各回の授業でお配りするプリントをよく読み、復習によって知識の定着につとめてください。

その他履修上の注意事項

主体的に関心をもち、もっと知りたいこと、疑問に思うことについて積極的にご意見くださることを期待しています。
私語など一緒に授業を受ける仲間の集中を削ぐ行為はなさらないでください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:前期授業のおさらい・授業概要説明(LMS配信)
第2回北宋の政治思想―士大夫の登場(対面授業)
第3回北宋から南宋へ―士大夫政治の衰退(対面授業)
第4回朱子の生涯(1)―程頤の後継者としての思想形成(対面授業)
第5回朱子の生涯(2)―門人集団と政治の理想(対面授業)
第6回南宋滅亡と士大夫―元の中国支配と中華アイデンティティ(対面授業)
第7回明代皇帝独裁体制の確立(対面授業)
第8回王陽明の生涯(1)―エリートの不遇と悟り(対面授業)
第9回王陽明の生涯(2)―実践に生きる哲学者たち(対面授業)
第10回東アジアの朱子学と陽明学(対面授業)
第11回明末清初の政治思想―明末の政界と異端児・李卓吾(対面授業)
第12回清朝の中国統治―少数民族マンジュはどのように「盛世」を築いたか?(対面授業)
第13回西洋近代文明の衝撃(1)―アヘン戦争・太平天国(対面授業)
第14回西洋近代文明の衝撃(2)―西太后と戊戌の政変、そして民国へ(対面授業)
第15回後期総まとめ・試験(対面授業)
※各回の内容には、授業の進行ペースや皆さんの関心の傾きに応じて調整を加えることがあります。