担当者 | 濱田 陽教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | RES-102 |
本講義では、宗教文化を、人知を超えるものと人の関係性から生じる事物、及び、その継承として、広く柔軟にとらえる。人知を超えるものとは、人の知性、感性、意思などの能力によってとらえられない存在をいう。また、人のこれらの能力によってとらえられる存在を、自然という言葉で表現することにする。さらに、わたしたち人は、生きもの、人自身を判断によって定義する。そして、人の精神的、物質的作為がなされた事物を、つくられたもの、と呼ぶことにしよう。すると、自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるもの、という五つの存在で、この世界を考察する視座が開けてくる。
さらに、この五つの存在に加えて、共有可能性という概念を導入して、人の文化、文明を考察し、その中で、宗教文化の意義を分析していくことをめざしていく。共有可能性の概念は、宗教文化、文化、文明を考える上で、また、人工知能、パンデミック、環境問題等の現代的課題を考える上で、今後、重要な鍵となっていくだろう。
人の文化と宗教への柔軟な視座を養い、複数領域の知識を適切に要約しながら自身の考察をまとめることのできる思考力、文章表現力を身につける。
授業参加、期末レポートにより総合評価 *期末レポートは、第12〜13回頃にテーマを発表予定
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『(タイトル未定)』 *秋刊行予定 | 濱田陽 | |
教科書 | |||
参考文献 |
次回授業で扱う予定の参考資料(必要に応じてLMSオンライン上にUP)を事前に通読しておく。また、適度な事前課題を設けることがある。
・授業進行はある程度前後する。
・LMSオンライン上で重要な情報はUPしていくため、対面授業の前後にLMSオンラインの方も確認する習慣をつけること。
・春学期からの学習内容で必要な内容はフォローしていくため、秋学期からの受講も可能である。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 第一〜六章 存在と共有可能性 春学期の学習内容から、五つの存在(自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるもの)と人間観の分裂と共有可能性について改めて考察する |
第2回 | 第一〜六章 存在と共有可能性 共有可能性の概念について、秋学期の展開に向けて、思考内容を深める |
第3回 | 第七章 文化と共有可能性 文化について五つの存在の相互関係性から定義を試み、共有可能性の概念をさらに深め考察する |
第4回 | 第八章 共有文化−文化における生なるコモンズ 「生なるコモンズ」を共有可能性の領域と表す言葉として導入し、伝統文化における共有可能性を考察する |
第5回 | 第八章 共有文化−文化における生なるコモンズ 伝統文化における共有可能性を考察する |
第6回 | 第九章 共有宗教文化 無宗教や宗教を異にしていても共有可能な共有宗教文化の具体例について解説、考察する |
第7回 | 第九章 共有宗教文化 共有宗教文化の「共有」について、掘り下げて分析する |
第8回 | 第十章 文明と共有可能性の危機 広範な影響力をもつ文化としての文明と共有可能性の危機についてAIや宗教の関係を含めて考察する |
第9回 | 第十章 文明と共有可能性の危機 広範な影響力をもつ文化としての文明と共有可能性の危機についてAIや宗教の関係を含めて考察する |
第10回 | 第十一章 共有文明−文明における生なるコモンズ 文明における共有可能性領域を自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるものについて考察していく |
第11回 | 第十一章 共有文明−文明における生なるコモンズ 文明における共有可能性領域を自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるものについて考察していく |
第12回 | 第十二章 共有可能性の人文学のために 共有可能性をテーマにした新たな人文学について、世界における最近の思想的、文学的動向を視野に入れて展望する |
第13回 | 第十二章 共有可能性の人文学のために 共有可能性をテーマにした新たな人文学について、世界における最近の思想的、文学的動向を視野に入れて展望する |
第14回 | 講義のまとめ |
第15回 | 期末レポートのテーマ発表・解説 *LMSオンデマンド形式による授業、第12〜13回頃に実施予定 |