近代思想Ⅰ
担当者濱田  陽教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [日本文化学科]
科目ナンバリングPHE-101

授業の概要(ねらい)

 現代ではスマートフォンで時間、空間を把握することが日常となり、AI(人工知能)が様々な分野に導入され、人の時間意識、空間認識にまで大きな影響を及ぼし始めている。しかし、本来、人は川の流れや花の開花など自然や生きものからも、豊かな時間や空間の変化を感じ取ってきた。
 本講義では、テクノロジーによってつくられる時空の仕組みに潜む思想を突きとめることで、逆にそれとの比較・対照により、生きものに特有の生命の時空、人に特有の文化の時空を明らかにする。その上で、新型ウイルスのパンデミック、人工知能等のテーマをより広く深い視座から考察し、時空、名前、人生が本来多様であることを論じる。これらの一連の探求を通じて、生命と文化の時空という、斬新な世界観を提示したい。

授業の到達目標

 生命と文化をめぐる世界観への多様な発想力を養い、講義内容をふまえて自身の思考を展開し、内容の深い考察をまとめる思考力、文章表現力を身につける。

成績評価の方法および基準

 授業参加、期末レポートにより総合評価 
 *期末レポートは、第13回授業終了直後にテーマを発表、第14回授業日を含む3日間で提出予定。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 『タイトル未定』 *春刊行予定 濱田陽
教科書 *授業、期末レポート作成に必須、春期は教科書の前半を中心に学ぶ。通年受講を前提とし、秋学期の近代思想Ⅱでも引き続き使用する。
参考文献

準備学修の内容

 教科書に沿って進むため、次回授業で扱う予定の箇所を通読しておくこと。

その他履修上の注意事項

 半期の履修も可だが、通年受講が望ましい。
 授業中に教科書中の着目すべき箇所を自分の判断でマークし、主体的に気づいたことや考えをメモするなど(教科書に書き込んでもポストイットなどを用いてもよい)、一歩一歩理解を深めていって欲しい。
 「7.授業内容」には教科書各章が割り振られているが、章によって分量の差があるため、授業進行はある程度前後することがある。

授業内容

授業内容
第1回教科書と本講義について *LMSによるオンデマンド形式による授業
第2回第一章 生命と文化の時空  
 一 わたしから生成される時空観、人から生成される時空観について考察する
第3回第一章 生命と文化の時空 
 二 生命から生成される時空観、文化から生成される時空観について考察する
第4回第一章 生命と文化の時空 
 三 人間観について考察する
第5回第二章 見えざる矛盾と新型ウイルス
 一 新型コロナウイルスをめぐる状況とメタファー的思考について考察する
第6回第二章 見えざる矛盾と新型ウイルス
 二 カミュ『ペスト』におけるメタファーの特徴について分析する
第7回第二章 見えざる矛盾と新型ウイルス
 三 新型コロナウイルスをいかなるメタファーとしてみなせるかについて考察、分析する
第8回第三章 人影の人工知能
 一 生老病死と悩みについて考察する
第9回第三章 人影の人工知能
 二 悩みの解決と人工知能について考察する
第10回第三章 人影の人工知能
 三 三つのタイプの生死観、人間観について考察する
第11回第四章 時空、名前、人生は一か多か
 一 時空、名前、人生のとらえ方について考察する
第12回第四章 時空、名前、人生は一か多か
 二 時空、名前、人生を「一つ」とみる観念の近代性について考察する
第13回第四章 時空、名前、人生は一か多か
 三 時空、名前、人生の多様性について考察する
第14回講義のまとめ
第15回期末レポートのテーマ発表・解説 
 *LMSオンデマンド形式による授業、第13回直後に実施予定