担当者 | 藤澤 明教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻] | |
科目ナンバリング |
文化財が製作された背景には、構成する材料が入手可能であること、加工する道具があること、加工する技術があること、流通や販路が確保できていることが不可欠です。よって、文化財を対象に自然科学的手法を用いて研究することで、作られた当時の歴史的、文化的、民俗学的、技術的背景を明らかにできることがあります。
本授業では、これまでに文化財の科学的研究によってどんなことが分かって来たのか、研究事例や論文を通して紹介します。これにより研究手法の多様性を学び、各自の修論研究をより高い次元で行うことを期待します。
自然科学的調査で得られた結果を歴史研究成果と結び付け、議論できる能力を高めることを目標とします。
中間レポート(30%)と期末テスト(70%)で評価します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 文化財分析 | 早川泰弘・高妻洋成著、日本分析化学会編 | 共立出版 |
参考文献 | 考古科学と自然科学 | 日本文化財科学会 | 日本文化財科学会 |
参考文献 | 保存科学 | 東京文化財研究所 | 東京文化財研究所 |
参考文献 | Archaeometry | University of Oxford | University of Oxford |
自然科学的調査には、一般化学、分析科学、材料科学の知識が必要です。各自の研究テーマに沿った理系書を利用して各自勉強してください。参考図書は個別に指示します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 文化財と分析科学 |
第2回 | 文化財の分析方法 |
第3回 | 各材料の分析例ー絵画・壁画ー |
第4回 | 各材料の分析例ー金属・ガラスー |
第5回 | 材料分析による産地推定1 |
第6回 | 材料分析による産地推定2 |
第7回 | 材料分析による古代の製作技法の推定1 |
第8回 | 材料分析による古代の製作技法の推定2 |
第9回 | 状態調査による劣化機構の推定1 |
第10回 | 状態調査による劣化機構の推定2 |
第11回 | 多資料調査による統計的研究1 |
第12回 | 多資料調査による統計的研究2 |
第13回 | 植物遺存体調査による環境復元 |
第14回 | 動物遺存体調査による自然よび生活環境復元 |
第15回 | 文化財研究の総合討論 |