ソーシャルビジネス実習基礎
担当者李  永淑教員紹介, 久米  隼
単位・開講先選択必修B  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSWS-201

授業の概要(ねらい)

ソーシャルビジネスとは、ビジネスを手段としてさまざまな社会的課題の解決を試み、それらを通して新しい社会的価値を創出する取り組みです。
 本学のある立川、八王子、多摩地域では、ソーシャルビジネスを展開する多くの社会的企業が活躍しています。
 本授業では、本学近隣地域でソーシャルビジネスを展開している、社会的企業の皆様と連携してPBL型の授業を行うことにより、地域社会で活躍できる人材を育てることを目的としています。
 PBLとは、Problem-based learning(課題解決型学習)もしくはProject-based learning(プロジェクト型学習)と呼ばれ、企業や地域、教員、もしくは学生が設定した課題や目標に対して、受講生たちがチームで取り組む教育手法です。PBLには、明確な答えがないため、受講生たちが自律的・主体的に取り組むことが必要不可欠です。
 本授業では、協力いただく事業所のご協力を得ながら、受講生たちがプロジェクトの具体的な内容を企画立案します。
 計画したプロジェクトは、実際に実施します。
 今年度は、Zoomを使用したオンラインイベントの企画立案実施を予定しています。
 このような実習を通して、本授業ではクラス全員が、プロジェクトの成功をともに考え、そのために必要なアクションについて、命令や権限に関係なく自分自身で、そして仲間と一緒に動き出すといった、「権限なき自然発生的なリーダーシップ(日向野・松岡 2017)」の開発を重視しています。
 
本授業でご協力いただく社会的企業は以下の通りです(順不同)。
 
1.株式会社 キャリア・マム:女性キャリア支援事業(http://www.c-mam.co.jp/)
 
2.認定NPO法人 育て上げネット:若者支援事業(https://www.sodateage.net/)

3.認定NPO法人 多摩草むらの会:精神障害者就労支援事業(http://kusamura.org/)

 春期授業では、秋期実習に向けた学習および準備を行います。その一環として、夏期休暇中はオンラインフィールドワーク(オンラインイベントへの参加とレポート)を予定しています。
 春期授業を踏まえて、受講生は企画立案を担当するプロジェクトを選択します。ただし、プロジェクトの実施はクラス全員で行います。

授業の到達目標

・「ソーシャルビジネス」という概念を理論的・実践的側面から考え、理解し、「自分事」として行動につなげることができる。
・一連のカリキュラムを通して、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・提案する・交渉する・協働する・報告連絡相談する・発信する」ことを経験し、その力を具体的に身に付けながら、学びを深めることができる
・卒後、地域社会で発揮できるための、論理的思考や協調性、職業意識を育成し、それを学生自身が考える「就業力」につなげることができる。
・現代社会における「仕事」「働く」ことについて社会学的に考え、自分なりの「答え」を探求し、それを言語化することができる。

成績評価の方法および基準

 出席状況・クラスへの貢献・発表(20%)、課題(80%)を踏まえて、総合的に評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門駒崎弘樹PHP新書
参考文献「増補版」大学教育アントレプレナーシップ いかにリーダーシップ教育を導入したか日向野幹也・松岡洋祐ブックウェイ
参考文献

準備学修の内容

授業内で適宜指示します。

その他履修上の注意事項

・本授業は春期・秋期の通年科目であり、秋学期「ソーシャルビジネス実習」は、春学期「ソーシャルビジネス実習基礎」を履修していることが受講の要件となります。したがって受講生は原則、通年で受講してください。
・ご協力いただく事業所の事情により、予定が変更となる場合があります。
・実習科目であるため、原則8割以上の出席を求めます。
・具体的な内容は初回ガイダンスで発表しますので、受講希望者は初回授業を必ず受講し、「受講希望届」を提出してください。
・実習授業という性質上、受講定員は20名程度を予定しています。したがって希望者が定員を超えた場合は、初回授業で提出された「受講希望届」を踏まえて選抜を行います。
・学内外の多様な方々と進めていくという授業の性質上、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をしっかり行うことが求められます。したがって、卒業後の職業人にとって基本的な対応(返事をきちんと返す、人任せにしない、約束事は守る、困ったことは相談する、情報を共有する、等)ということを常に心がけてください。著しくできていない場合は、具体的な対応・対策を求めます。
・本授業はハイブリット型(対面、オンライン)です。また、オンライン授業は、Zoom形式、LMSオンデマンド形式で行います。毎回の授業でその形式が異なりますので、しっかり確認し、事前に受講環境を整えてください。

授業内容

授業内容
第1回授業ガイダンス(受講希望者は必ず受講の上、「受講希望届」を提出してください)
※LMSオンデマンド
第2回リーダーシップ概論①
※対面授業
第3回リーダーシップ概論②
※対面授業
第4回社会的課題とは何か?(ビブリオバトル)
※Zoom授業
第5回デジタルスキルの基礎①:Zoom・Slack・Googleフォームの使い方
※対面授業
第6回デジタルスキルの基礎②:実践編(グループワーク)
※Zoom授業
第7回企画の立て方①:概論
※対面授業
第8回企画の立て方②:グループワークと発表
※Zoom授業
第9回ビジネスマナーとビジネススキルの基礎
※対面授業
第10回ゲスト講義①
認定NPO法人多摩草むらの会 代表 風間美代子氏
※Zoom授業
第11回ゲスト講義②
認定NPO法人育て上げネット ユースコーディネーター 阿部渉氏、武田直弥氏
※Zoom授業
第12回ゲスト講義③
株式会社キャリア・マム 代表取締役社長 堤香苗氏
※Zoom授業
第13回プレゼンテーションと著作権の基礎
※LMSオンデマンド授業
第14回チームワークとは何か?企画のエッセンスを言語化する(グループワークと発表)
※Zoom授業
第15回まとめと振り返り/夏のオンラインフィールドワークについて
※対面授業