担当者 | 木原 久美子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻] | |
科目ナンバリング |
本講では、家族・集団・地域における心理支援について検討する。取り上げるテーマは、家族関係等集団の関係性に関する心理支援の理論と方法、育児・保育支援、地域社会や集団・組織に働きかける心理学的援助に関する理論と方法、心理相談・助言・指導等への応用等である。実践については、仮想事例をもとに、心理職としての役割や専門性を検討する。
授業は、講義方式と演習方式で進める。演習では、輪番制でテキストおよび学術論文の担当箇所を報告し、それに基づき履修者全員でディスカッションする機会を設け、この領域の心理支援について受講生各自が明確なイメージを持って学ぶことを目指している。
(1) 家族・集団・地域に関する心理専門職としての実践領域と理論を学ぶ。
(2) 家族・集団・地域に関する心理支援のポイントを学ぶ。
グループディスカッション等授業に対する積極的参加、発表、レポートなどを総合して評価する(参加15点、発表20点、授業内レポート2回×15点=30点、最終レポート35点、計100点)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 授業時に適宜紹介 | ||
参考文献 | 家族心理学:家族システムの発達と臨床的援助 | 中釜洋子・野末武義・布柴靖枝・無藤清子 | 有斐閣ブックス |
(1) 家族の中心に子どもを置く場合と、保護者を置く場合とで支援の考え方がどう変わるかを考えてレポートを書いて提出する(第1回)。
(2) 家族をめぐる社会的政策の動向を調べて,心理実践に対するニーズをまとめてレポートを書いて提出する(第5回)。
(1) 授業で発表の担当に当たった場合は責任を持って担当すること。
(2) 授業中の積極的な参加を評価するので留意すること。
この科目は、公認心理師試験および臨床発達心理士試験の受験資格を得るために必要な科目である。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 家族・集団・社会に関わる心理実践とそれを支える発達の基礎理論について学ぶ。 家族の中心に子どもを置く場合と、保護者を置くばあいとで支援の考え方がどう変わるかを考えてレポートを書いて提出する。(オンライン) |
第2回 | 1. 家族関係等集団の関係性に焦点を当てた心理支援の理論と方法:エリクソンのライフサイクル論について学ぶ。 |
第3回 | オープンシステムとしての人:ブロンフェンブレンナーの生態学的発達理論・ミラーの生命システム理論(Living Systems Theory)について学ぶ。 |
第4回 | 2.育児・保育支援について学ぶ:家族を取り巻く現代的な課題(家族の多様化、育児への支援とは何か)、親としての発達等。 |
第5回 | 子ども・子育て支援新制度、待機児童問題、社会保障の一環としての子育てについて学ぶ。 子育て支援システムの変遷から、公認心理師・臨床心理士・臨床発達心理士に対するニーズを考えてレポートを提出する。 |
第6回 | 3.地域社会や集団・家族に働きかける心理学的援助に関する理論と方法を学ぶ:インクルージョンの思想と社会的背景について学ぶ。 |
第7回 | 生態学的コンサルテーション、組織コンサルテーション、カウンセリングのポイントを学ぶ。 |
第8回 | 生活の中での心理学的援助とは何かを学ぶ。 |
第9回 | 生活の場における気になる子ども・気になる生徒について学ぶ。 |
第10回 | 4.心理に関する相談、助言、指導等について、心理実践の事例を通して学ぶ:保育場面における心理相談の助言・指導の根拠となるアセスメントの方法を学ぶ。 |
第11回 | 心理相談事例から学ぶ:重い障害のある子どもに対する心理的支援を学ぶ。 |
第12回 | 心理相談事例から学ぶ:家族支援を併行して行った事例をもとに多職種連携と心理的支援のポイントを学ぶ。 |
第13回 | 心理実践の意義を生涯発達にわたる長期継続事例から学ぶ:ASDの事例。 |
第14回 | 5.家族・集団・社会に関わる心理職の専門性についてディスカッションを通して学ぶ。 |
第15回 | 家族と子どもに対する心理実践の専門性についての考えを交流し、レポートにまとめて提出する。このレポートを最終レポートとして評価する。(オンライン) |