犯罪学
担当者堀田 晶子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-303

授業の概要(ねらい)

本講義は、前半で個別犯罪の実態と対策を取り上げるとともに、日本の刑罰制度(死刑、自由刑、財産刑)の現状と課題を検討する。後半で、犯罪学の伝統的な理論を回顧し、現在にも通ずる犯罪理論を模索する。授業全体を通じて、犯罪と刑罰について多角的に捉える視座を養う。

授業の到達目標

①個別犯罪の実態を分析し、有効な犯罪対策を検討することができる。
②日本の刑罰制度に関する専門的な知識を身につけ、現状と課題を具体的に説明することができる。
③伝統的な犯罪理論の分析を通じて、犯罪とは何か、刑罰とは何かを多角的に捉える視座を養う。

成績評価の方法および基準

基本的には試験によって評価するが、感想文やレポート等を課すこともある。評価配分の目安は、試験90%、授業への貢献度10%である。授業への貢献度は、課題の提出状況や授業態度等によって総合的に判断する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書以下の教科書をお勧めする。詳細は、第1回のオリエンテーションの際に説明する。
教科書『ビギナーズ犯罪法』(2020)守山正・安部哲夫〔編著〕成文堂
教科書『ビギナーズ犯罪学』〔第2版〕(2020)守山正・小林寿一 〔編著〕成文堂
教科書『犯罪・非行の社会学-常識をとらえなおす視座』[補訂版](2020)岡邊健 〔編〕有斐閣
教科書『ビギナーズ刑事政策 第3版』(2017)守山正・安部哲夫 〔編著〕成文堂
参考文献『令和2年版 犯罪白書』法務省法務総合研究所〔編〕法務省HPから閲覧可
参考文献『いま死刑制度を考える』(2014) 井田良=太田達也 〔編〕慶應義塾大学出版会
参考文献『リーディングス刑事政策』(2016) 朴元奎=太田達也[編]法律文化社

準備学修の内容

特に復習に力を入れてください。毎回の授業で扱ったテーマについて、レジュメやノートを読み返しながら、復習しましょう。疑問点が出てきたら、図書館を大いに活用し、テキストや参考書等を熟読した上で、学術論文等にもあたってみてください。刑罰論については、法務省や警察庁など公共機関のHPも参考になります。自分で調べても答えが出ない問題については、友人と議論したり、教員に質問したりすると良いでしょう。

その他履修上の注意事項

①春期の「少年法」を同時に履修することが望ましいです。さらに、秋期の「刑事政策」と「被害者学」を履修することで、刑事法全体に関する理解が深まります。
②授業をよく聞いて、その都度レジュメに書き込むか、ノートを取るようにしてください。自分で書いて理解することが大切です。授業の内容が聞き取れなかった場合は、あやふやのままにせず、すぐに確認してください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション -犯罪学と刑事政策/犯罪統計について-
第2回個別犯罪対策① 薬物犯罪
第3回個別犯罪対策② ストーカー
第4回個別犯罪対策③  高齢者犯罪
第5回刑罰論① 死刑その1
第6回刑罰論② 死刑その2
第7回刑罰論③ 自由刑
第8回刑罰論④ 財産刑
第9回刑罰論⑤ 刑罰と処分
第10回犯罪学① ようこそ犯罪学の世界へ/犯罪学の父!犯罪生物学の展開
第11回犯罪学② 犯罪心理学・犯罪社会学の展開/サザランドの登場
第12回犯罪学③ デュルケムの発想/シカゴ学派と社会解体論
第13回犯罪学④ 漂流理論・ラベリング論・コントロール理論
第14回犯罪学⑤ 環境犯罪学
第15回春期のまとめと試験(予定)