民法Ⅱ
担当者足立 祐一教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングCIL-202

授業の概要(ねらい)

 本科目では、民法全体を概観して、その基本的な知識を学んでいきます。民法は、日常生活に深く関わっている法律です。私たちは日常生活を送るのに、たとえば、物を売り買いすることやサービスを受けるために多くの契約を結んでおり、ここで何か問題が起きたと感じたときには、普段は意識していなくとも、民法のルールにしたがってこれを考えることになります。自分の持ち物が「自分の物である」と他人に主張するのでも、実際にトラブルが生じた際には、民法のルールを意識しなくてはなりません。家族の関係についても、民法に規定があり、社会のなかでその問題を解決する場合には、必ず民法が現れることになります。
 本科目で学ぶ民法は、取引においては基本のルールとなる法律ですし、日常生活の思わぬところでも出会うことがあるでしょう。具体的なケースも扱いながら、民法を理解するために基本となる部分を学んでいければよいと思います。

授業の到達目標

 ①民法(特に契約法を中心とする財産法)について、基本的な知識を修得し、民法のルールの基本的な考え方を理解する。
 ②判例の考え方も踏まえながら、日常生活や取引におけるトラブルを法的な視点から捉えられるようになる。

成績評価の方法および基準

 学期末に実施する試験を中心に成績を評価します(85%)が、小レポートもしくは小課題を実施する予定です(15%相当)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『民事法入門 〔第8版〕』野村 豊弘(有斐閣、2019年)
教科書※なお、レジュメ等配布物について初回で説明する予定です。
参考文献最新版の小型の六法
参考文献『リーガルベイシス民法入門 第3版』道垣内 弘人 (日本経済新聞社、2019年)
参考文献『START UP 民法② 物権 判例30!』水津 太郎・鳥山 泰志 ・藤澤 治奈(有斐閣、2017年)
参考文献『START UP 民法④ 債権各論 判例30!』中原 太郎 ・幡野 弘樹 ・丸山 絵美子・吉永 一行 (有斐閣、2017年)

準備学修の内容

 ・どのような内容をこれから学ぶのか、毎回の授業の前に教科書の該当箇所を読んでおくと理解しやすくなります。その際に、重要だと思った単語などをメモしておきましょう。
 ・相互に関連する部分も多く、気がつくと収拾がつかなくなっていた、ということもあるので、定期的に授業で学んだことをきちんと復習しておきましょう。教科書・配布物などを見直して、はじめて見かけた単語、すでに知っていると思っていたこととは違った事柄などについて簡単なメモを書いておくとよいです。
 ・学んだ内容を自分で説明することができるか確認しておくことも大切です。

その他履修上の注意事項

 ・授業の際には小型の六法を持参すること。
 ・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になる行為は禁止です。
 ・学ぶ内容が、どのような制度なのか、どのような考え方によるものなのか、頭の中で確認しながら学修してください。
 ・この科目は「民法I」の内容と連続しています。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス、民法Iの復習
第2回 所有権
第3回 利用による所有権の制限
第4回 担保物権
第5回 非典型担保
第6回 不法行為(1)(過失責任と無過失責任、権利・利益の侵害、違法性阻却)
第7回 不法行為(2)(因果関係、責任能力)
第8回 不法行為(3)(債務不履行との関係、人格権の侵害)
第9回 不法行為(4)(交通事故)
第10回 不法行為(5)(欠陥商品と消費者保護)
第11回 不法行為(6)(損害賠償の算定)
第12回 婚姻・離婚
第13回 親子・相続(第13回分はオンラインの予定)
第14回 遺言・後見
第15回 まとめと試験
 ※上記授業計画は、状況に応じて変更することがあります。