担当者 | 藤井 靖史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [教職研究科] | |
科目ナンバリング |
脳の機能やシステムは、様々な分野の技術革新により少しずつ解明されてきていることを理解し、脳機能解明における代表的なアプローチ方法を学ぶ。
どのような目的で、どのように行われる教育が、どのような脳機能を利用したものなのかについて理解し討論する。また、発展的展望として、解明されつつある脳機能を基にして、新しい教育方法について考える基礎力を身につける。更に障害された脳機能の特徴を踏まえ、また脳の可塑性や予想されるトレーニング効果に基づいた障害児教育を考える基礎力を身につける。
授業は、講義内容を受けて学生のディスカッションを中心に展開する。
なお、講義では、本学文学部心理学科教員を3回ゲスト・スピーカーに迎えてのTeam Teachingのほかに、他領域のゲスト・スピーカーを2回程度招聘する。ゲスト・スピーカーの助言により本講義内容を多角的な視点から捉える力を身につける。
<A・B類共通>
・脳科学は、脳に関する総合科学である。医学・心理学・数学・物理学・情報工学等のなかで脳に関連するトピックスを学び、その研究成果を教育実践に応用する。
教育における脳科学の応用に関する理解度(レポート)70%と、演習に取り組む姿勢と意欲30%を基にして評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『脳のしくみ』 | 新井康允 | 日本実業出版社 |
参考文献 | 『絵とき脳と神経の科学』 | 小林繁 他 | Ohmsha |
参考文献 | 『脳科学の現在』 | 酒田英夫 他 | 中公新書 |
参考文献 | 『神経心理学評価ハンドブック』 | 田川皓一 | 西村書店 |
参考文献 | 『右利き・左利きの科学』 | 前原勝矢 | 講談社 |
参考文献 | 『脳神経科学イラストレイテッド』 | 森寿 他 | 羊土社 |
参考文献 | 『脳神経心理学』 | 利島保 | 朝倉書店 |
参考文献 | 『視覚脳が生まれる』 | J アトキンソン 著 金沢創 訳 | 北大路書房 |
参考文献 | 『ミラーニューロン』 | ジャコモ・リゾラッティ他 柴田裕之 訳 | 紀伊国屋書店 |
参考文献 | 『ミラーニューロンの発見』 | マルコ・イアコボーニ 塩原通緒 訳 | ハヤカワ新書 |
第1回の授業で配布する授業用オリジナル・テキストを中心に、授業で扱うテーマについての資料や書籍を読み、予め基礎知識は整理しておく。
学習した知識内容を常に最新のものに置き換えて行くことが必要である。その為には、学生各自が在学中から知識を更新していくための学習方法や情報獲得手段を獲得することが望まれる。リアクションペーパーは、授業者に授業内容について質問したり意見したりするのに活用される。リアクションペーパーを通じて、学びを深めて欲しい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション 講義全体の流れを理解する。脳について解明されたことと、まだ解明されていないことを整理して理解する。 |
第2回 | 脳の成長 ~10歳がピーク?~ 神経細胞の分化と増殖、シナプス形成について学ぶ。シナプスの過形成と淘汰の意義、神経ダーウィンニズム理論、カオス的脳観について理解する。 |
第3回 | 右脳と左脳~右投げ左打ちは得?、利き手と言語~ 脳の機能分化、左右脳の側性、可塑性に関する基礎知識を身につける。言語中枢の確立と利き手との関連を理解する。 |
第4回 | 脳機能画像 ~脳の働きが目に見えるって~ functional MRIと光トポグラフィーを代表とした脳機能画像のしくみと学習や教育への応用の可能性について学ぶ。 |
第5回 | 神経生理機能検査とその応用 ~思うだけで電気製品が動き出す~ ・脳波、事象関連電位、脳磁図を代表とした神経生理機能検査のしくみとその応用について理解する。 ・ブレイン・インターフェースの現状を理解し、障害児教育への応用の可能性を学ぶ。 |
第6回 | 実験心理学とその応用(1) ゲストティーチャーによる講義を通して、実験心理学における最新の研究成果を理解する。 |
第7回 | 実験心理学とその応用(2) ゲストティーチャーによる講義を通して、実験心理学における最新の研究成果を理解する。 |
第8回 | 実験心理学とその応用(3) ゲストティーチャーによる講義を通して、実験心理学における最新の研究成果を理解する。 |
第9回 | ミラーニューロン ~学ぶは真似る~ ・真似、言語発達や意図の理解に関与するミラーニューロンの役割を理解する。 ・さらに学習を含めた教育活動におけるミラーニューロンの重要性を学ぶ。 |
第10回 | 記憶のメカニズム ~覚え方にも個性がある~ ・記憶に関わる脳機能のしくみを理解する。 ・A・B類学生混合の小グループを作り、記憶のメカニズムを応用した教育方法を協議し、その成果を発表する。 |
第11回 | 言葉の発達 ~「聞く」「話す」から「読む」「書く」へ~ ・神経生理学と発達心理学から言葉の発達過程を学ぶ。 ・教育現場における児童生徒個々の言語活動を言語発達過程から理解する力を身につける。 |
第12回 | 読み書き障害とその周辺 ・読み書きに関わる脳機能のしくみを理解する。 ・発達性読み書き障害の概念、診断プロセス、医学的対応法を学ぶ。また、ICTを活用した発達性読み書き障害の指導支援について理解する。 ・A・B類学生混合の小グループを作り、発達性読み書き障害に対する教育方法を協議し、その成果を発表する。 |
第13回 | 算数の理解と算数障害 ・算数の理解に関わる脳機能のしくみを理解する。 ・算数障害の概念、診断プロセス、医学的対応法を学ぶ。また、発達心理学の視点から見た算数障害の捉え方についても理解する。 |
第14回 | LMSで実施する。 社会性の発達コミュニケーション ・神経生理学や発達心理学から人間における社会性とコミュニケーションの発達の仕組みを理解し、児童生徒の精神課題を理解する。 |
第15回 | 教育における脳科学の応用 A・B類学生混合の小グループをつくり、脳科学を基盤に現在の教育方法について討議し、その成果の発表をもとに全体で討議する。 |