担当者 | 稲垣 綾子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻] | |
科目ナンバリング |
投映法(Projective methods)とは、構造化されていない場や対象といった曖昧な刺激に対する検査対象者の自由な反応を検査者が解釈し、投映されている主題や情緒傾向、適応水準などを明らかにしていくための手法である。本演習では、ロールシャッハ・テスト以外の各種投映法について学び、その施行法、集計法、解釈について理解を深める。さらに、臨床場面でどのように活用され、役立てられているのかについて検討する。最終課題として授業内で取り上げた検査でバッテリーを組んだ、架空事例のアセスメントレポートに取り組む。
なお、心理臨床センターにおける検査施行にあたっては、この科目の履修が必要となる。
1)投映法の特徴について説明することができる。
2)各種投映法を実施することができる。
3)得られた投映法の検査結果について一定の解釈をすることができる。
4)アセスメントレポート作成の要諦をつかみ、フィードバックの治療的効果とその際の配慮や留意点について理解する。
所見レポートの提出と発表40%、課題(アセスメントレポート)30%,期末テスト30%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『心理アセスメントハンドブック第2版』 | 上里一郎 | 西村書店 |
本演習科目は準備学修よりも事後学修が重要となる。各検査マニュアル・配布資料・レジュメを熟読し、指定された検査について、所見レポートを書いてLMSにて提出することが求められる。また、一部は授業内で発表し、討議・検討していく。この一つ一つの積み重ねが、期末課題のアセスメントレポートに直結する。
演習内で行われる各検査では、自分や周囲の事柄をテーマにすることがある。当事者やクライエントを理解する上では、自分自身の特性、課題について客観的に理解する視点は欠かせない。この点を十分に承知の上、臨むこと。
また、真剣に学ぼうとしている他の学生の邪魔をしないこと(私語、携帯電話等の電子機器の使用など)。個人でのワークのみならず、検査のペアワークを予定している。主体的、積極的な参加を望む。
本演習にて、検査対象者から得られたデータについては守秘義務を遵守すること。
この科目は臨床心理学専攻に特化した科目である。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 授業ガイダンス&心理テスト概論―投映法の位置づけ―(オンライン授業) |
第2回 | 心理テストで「人となり」を把握すること―基本的枠組みと視点― |
第3回 | TAT・CAT:ペア施行 |
第4回 | TAT・CAT:解説レクチャー&反応からみる病態水準の理解 |
第5回 | PFスタディ1:セルフ施行&概要レクチャー&スコアリング |
第6回 | PFスタディ2:所見レポートの発表① |
第7回 | SCT1:セルフ施行&概要レクチャー&スコアリング |
第8回 | SCT2:所見レポートの発表② |
第9回 | バウムテスト・HTP/S-HTP1:セルフ施行&概要レクチャー&スコアリング |
第10回 | バウムテスト・HTP/S-HTP2:所見レポートの発表③ |
第11回 | 風景構成法:セルフ施行・概要レクチャー FITセルフ施行・概要レクチャー |
第12回 | FIT:所見レポートの発表④ |
第13回 | 「治療的アセスメント」事例から学ぶ |
第14回 | テストバッテリーとアセスメントレポート |
第15回 | まとめ |