担当者 | 阪本 博志教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-302 |
アメリカの社会学者C・ライト・ミルズは、「社会学的想像力により、歴史と個人史とを、さらには社会のなかでの両者の関わりを洞察することが可能になる」「個人史と歴史、そして社会における両者の交差という問題に立ち戻ることなくして、社会をめぐる研究はその知的冒険を全うすることはできない」と述べている(伊奈正人・中村好孝訳『社会学的想像力』ちくま学芸文庫)。
社会学を学ぶうえで、「社会学的想像力」を身につけることが必要である。「社会学文章表現研究Ⅰ・Ⅱ」では、大学受験を経て大学で学んでいるという個々の受講者の個人史がどのように人間社会の歴史と交差しているのかを、大学を扱った歴史社会学文献を読むことで把握し、文章にまとめていく。そのことは、現代社会においてなぜ文学部で社会学を学ぶのかということを受講者が再確認するうえでも重要であろう。
授業の具体的な進行は、次のとおりである。
Ⅰでは、大学にかんする新書を2冊読む。受講者には、毎回の講読シートへの記入とその内容を授業中に発言することが求められる。2冊の新書を読み終えたあと、2冊目の新書の書評を執筆する。執筆にあたっては、添削指導をおこなう。こうして作成したレポートを提出する。
Ⅱでは、まず大学にかんする新書を1冊読む。受講者には、毎回の講読シートへの記入とその内容を授業中に発言することが求められる。次に、これまでに読んだ3冊を踏まえて、自身が大学で学んでいるという個々の受講者の個人史がどのように人間社会の歴史と交差しているのかについて、発表をおこなう。発表に対し受けたコメントを踏まえて、最終レポートを提出する。
「社会学文章表現研究Ⅱ」の授業は、Ⅰの履修を前提に進める。したがって、Ⅱ受講希望者は、Ⅰの履修が望ましい。
クラス規模は15名程度を想定している。
①社会学の図書の内容ならびにそのポイントを把握することができる。
②自身の個人史と歴史との交差について考察し、それを論理的かつ客観的な文章にまとめることができる。
平常点(講読シートの提出と授業中の発表) 60%
期末レポート 40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『大学とは何か』 | 吉見俊哉 | 岩波新書 |
参考文献 |
テキストを1章ずつ読み、そのポイント等を講読シートに記入する。
①受講人数によって、内容や進度の調整をすることがある。
②社会学文章表現研究Ⅱの授業は、Ⅰの履修を前提に進める。Ⅱの履修希望者は、Ⅰの履修が望ましい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 授業の進め方の確認・説明をおこなう。 |
第2回 | 資料映像の視聴 |
第3回 | 『大学とは何か』序章 |
第4回 | 『大学とは何か』第1章 |
第5回 | 『大学とは何か』第2章 |
第6回 | 『大学とは何か』第3章 |
第7回 | 『大学とは何か』第4章 |
第8回 | 『大学とは何か』終章 |
第9回 | 発表の準備と添削(1) |
第10回 | 発表の準備と添削(2) |
第11回 | 発表の準備と添削(3) |
第12回 | 発表(1) |
第13回 | 発表(2) |
第14回 | レポートの作成と添削(1) |
第15回 | レポートの作成と添削(2) |