フィットネス概論
担当者
単位・開講先選択  2単位 [スポーツ医療学科]
科目ナンバリングDMB-101

授業の概要(ねらい)

 健康運動指導士・エアロビックダンスインストラクターなどの資格取得の準備をします。同時に医療技術・社会保障・人間文化に精通した会社員として自己実現できるような知識を身につけます。日本人の主な死因は感染症による疾病でしたが、近年は癌・心臓病および脳血管疾患などの循環器系疾病へと変化しています。これらの疾患は生活習慣によるところが大きいため「生活習慣病」と呼ばれ、現代人の健康問題のひとつです。また、最近の日本人におけるフィットネスに対する関心の高まりと、その生活の中への定着化は大変高いものとなっています。この授業では、人々の健康志向の背景、寿命や疾病との関わりにおける運動の現代的意義、運動不足・栄養の過多・ストレス増大に対応する運動の必要性について理解を深めます。また大学生となった学生諸君の健康についての問題を提起し合い、ディスカッションの中で自らの健康について考え、身体を動かすことの楽しさや健康・体力づくりに対する必要性の認識を深めますので、ふるってご参加ください。

授業の到達目標

 健康運動指導士・エアロビックダンスインストラクター・社会保険労務士・社会福祉士試験などに合格する

成績評価の方法および基準

 レポート(1回)、授業の出席、授業中の発言などを総合して評価しますが、出席点を重視します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『最新フィットネス基礎理論』小澤治夫・西端泉著 (日本フィットネス協会)
教科書『社会保障イノベーション』中江章浩著 (信山社)
参考文献

準備学修の内容

 指定した教科書を事前に読んでおくこと。
 このシラバスの授業計画の中に書かれている内容について、自分の言葉で説明できるようにしておくこと。

その他履修上の注意事項

 考えるための道具として法律の条文を使いますので、必ず、小六法を持参してください。

授業内容

授業内容
第1回 使用するテキスト「最新フィットネス基礎理論」(小澤治夫・西端泉著 日本フィットネス協会)・「社会保障イノベーション」(中江章浩著 信山社)に従って、次の順序で毎回の授業を行いますが、教科書の記述を単になぞるような授業をするのではなく、過去問研究を中心とする対話方式の授業を心がけます。
 項目
  日本人の健康問題
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  フィットネスとは何か、疾病傾向変化の原因、寝たきり問題の解決法、アクティブ80ヘルスプランの限界、一病息災の哲学、
第2回 項目
  健康日本21
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  9領域設定の考え方、健康増進法の具体的内容、中間評価報告書の問題点、食事バランスガイドの活用法、医療費の動向、健康づくり施策における社会環境の重要性、身体活動・運動とソーシャルキャピタルの関係、
第3回 項目
  健康づくりのための運動基準・運動指針
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  METsの意味と背景、メタボリックシンドローム診断基準の内容、日米基準値の差の意味、トレーニング方法の科学的分析、なでしこジャパン成功の秘密、NBA選手の練習方法、生活に運動を取り入れる方法、健康づくりのための身体活動基準2013 とアクティブガイド、
第4回 項目
  特定健診・特定保健指導
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  特定健診登場の霞が関的意味、情報提供・動機付け支援・積極的支援区分の意味、メタボリックシンドローム予備群の位置づけ、保健指導におけるハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの差、健康・体力づくり事業財団の裏話、
第5回 項目
  運動と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  肥満度と死亡率の関係、運動の癌予防効果の実態、健康運動プログラム導入の効果、百歳老人のライフスタイル、情報社会における運動の意味、iPS再生医療から考える運動、クーパー博士のエアロビクス、クーパー博士登場の社会的背景、ジェーンフォンダ「スタジオワークアウト」の意義、12分間走の意義、
第6回 項目
  医療保険と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  運動生理学から考える医療費問題、治療費用負担方法の考え方、高齢化に伴う健康需要の変化、健康政策と国民医療費、ターミナルケアと健康、医療保険と医療供給の官民区分による4類型、
第7回 項目
  労働保険と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  運動障害から考える労災問題、職場環境と企業業績、部位別障害と障害年金、月経異常と女性労働、心肺蘇生法と消防庁
第8回 項目
  介護保険と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  機能解剖学から考える介護問題、ストレッチと介護予防、運動処方とQOL、骨そしょう症と骨の構造、痴呆症と神経系の仕組、介護予防マニュアル、口腔機能向上、認知機能低下・予防支援、うつ予防・支援,閉じこもり予防・支援マニュアル、
第9回 項目
  病院・診療所と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  病床数と地域医療計画、医師数問題と東日本大震災、ピラミッド構造と疾病構造の変化、社会保障イノベーションと医学部・医療技術学部、
第10回 項目
  医療技術職と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  健康運動指導士・エアロビックダンスインストラクターの社会的意味、運動処方から考える医療福祉職の法体系、パラメディカルの社会的位置づけ、民間フィットネスクラブと総合型地域スポーツクラブ、特定保健指導における健康運動指導士の役割、
第11回 項目
  食事と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  基礎栄養学と雇用問題、管理職登用と肥満対策、肥満解消のための食事制限、コレステロールと生活習慣病、タンパク質と学業成績、日本食の世界展開戦略、
第12回 項目
  薬と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  医薬同源、HIV(Human Immunodeficiency Virus)、薬害肝炎、子宮頸癌、ワクチン、治験、診療報酬点数表、薬価差益、後発医薬品、森鷗外、40年周期説、ドラッグリポジショニング(drug repositioning既存薬再開発)、
第13回 項目
  少子化対策と健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  体力学から考える少子化対策、女性の体力と出生率、女性の調整力、年齢と体力、未婚率と高齢出産、人工授精と年金、中絶と刑法、
第14回 項目
  アジア諸国の健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  世代間同居と出産による女性離職率による社会類型区分、中国型・タイ型・シンガポール台湾型・日本韓国型の相違と背景、日本食と平均寿命、社会保障給付費と健康、
第15回 項目
  欧米諸国の健康
 内容(自分の言葉で説明できるようになるべき事項)
  高福祉高負担国の健康状態、乳児死亡率低下の国別相違、福祉資本主義の三つの世界と健康、エスピンアンデルセンの分析、国民皆保険制度の行方、