社会心理学概論(社会・集団・家族心理学)
担当者大江 朋子教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングSOP-101

授業の概要(ねらい)

 人の心は、多かれ少なかれ、社会からの影響を受けて形づくられる。この授業では社会心理学の古典的な研究をベースにして社会が心に与える影響の概要を学び、社会心理学をより専門的に追求していくための土台を構築する。この授業で扱う範囲は、(1)対人関係ならびに集団における人の意識及び行動についての心の過程、(2)人の態度及び行動、(3)家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響についてである。研究の方法を具体的に把握するために、(1)実験や調査のデモンストレーションを行う機会、(2)現在進行している研究に参加する機会、(3)近年注目されている研究の内容を外部講師にわかりやすく解説してもらう機会を設ける予定である。

授業の到達目標

 ①社会心理学とその近接領域で扱われる基礎的な概念について、この分野の専門的な知識を用いて説明することができる。
 ②社会心理学とその近接領域の研究を批判的に検討することができる。

成績評価の方法および基準

 ①専門的知識の習得状況を知るための試験の成績(70%)
 ②社会心理学とその近接領域の研究を批判的に検討できるかを調べるための課題の成績(30%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 指定しない。参考文献は授業内で随時伝える。
参考文献社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection) 池田 謙一 (編著), 唐沢 穣 (編著), 工藤 恵理子 (編著), 村本 由紀子 (編著)有斐閣
参考文献社会心理学 過去から未来へ 外山 みどり (編著)北大路書房
参考文献個人のなかの社会(展望 現代の社会心理学1) 浦 光博 (編著), 北村 英哉 (編著)誠信書房
参考文献コミュニケーションと対人関係(展望 現代の社会心理学2) 相川充 (編著), 高井次郎 (編著)誠信書房
参考文献社会と個人のダイナミクス(展望 現代の社会心理学3) 唐沢穣 (編著), 村本由紀子 (編著)誠信書房

準備学修の内容

・配布プリントの内容の予習と復習をし、基礎的な専門用語について説明できるようにする。
・各授業において紹介された方法や理論を理解する。さらに、今後どのような方法で何を明らかにすべきかについての自分の考えをまとめる。
・授業での指示に従って課題を提出する。

その他履修上の注意事項

・資料配布および課題提出には、帝京大学のLMSまたはWeb File Serverを利用する。テキストは指定しない。参考文献は適宜紹介する。
・各授業回の資料は、事前に帝京大学のLMS(またはWeb File Server)にアクセスし、各自でプリントアウトしておく。
・授業回の順序は変更されることがある。
・調査や実験を主とする研究に参加し、その研究についての解説を受ける機会を設ける予定である。これらの研究の実施から報告までのいずれの過程においても、研究参加者の匿名性には十分配慮する。結果の報告には、参加者全体のデータを統計的に分析した結果が用いられ、個人を特定できる情報が含まれることはない。

※ 2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
 2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回導入:社会心理学が追及する学術的な問いと歴史を学ぶ
第2回社会的行動1:他者を傷つける行動の生起について学ぶ
第3回社会的行動2:他者を助ける行動の生起について学ぶ
第4回対人魅力1:好意を感じさせる要因を学ぶ(外見の特徴)
第5回対人魅力2:好意を感じさせる要因を学ぶ(類似性,接触,生理的反応)
第6回集団1:集団にいることで生じる心の過程を学ぶ(集団の圧力,集団意思決定)
第7回集団2:集団にいることで生じる心の過程を学ぶ(内集団と外集団,社会的アイデンティティ)
第8回社会的自己1:社会のなかに存在する自分がいかなるものかを学ぶ(自己の種類,自尊心)(オンライン授業)
第9回社会的自己2:社会のなかに存在する自分がいかなるものかを学ぶ(自己の特殊性)
第10回社会的な認知や判断1:他者を判断するときに生じるバイアスについて学ぶ(判断の誤り)
第11回社会的な認知や判断2:他者を判断するときに生じるバイアスについて学ぶ(ステレオタイプ)
第12回社会的影響:他者の存在や行動が影響力をもつときの心の過程を学ぶ
第13回家族と文化:家族や文化が人の心に影響する過程を学ぶ
第14回社会心理学の意義と課題をまとめ,理解度を確認するための試験を行う。
第15回社会心理学とその近接領域で近年注目されている研究を学ぶ(外部講師)