環境と生態Ⅱ
担当者大浦 宏邦教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングECE-104

授業の概要(ねらい)

里山という言葉から、皆さんはどのような風景を思い浮かべるだろうか。春の新緑、夏の虫捕り、秋の紅葉、冬枯れの雑木林と四季折々の日本の風景が浮かんでくる人もいるかもしれない。これは自然の営みと人間の暮らしが接するところに、江戸時代ごろに成立して今は消え去りつつある風景である。
後期は里山を舞台とした生物たちと人間との関わりを中心に、日本の自然の成立とその変容、保護や保全の活動について見ていきたい。自分たちと自然との関わり方について考えるヒントになると幸いである。

授業の到達目標

里山の成立と維持のメカニズムがわかるようになる。
生物同士のつながりや多様性の必要性がわかるようになる。
自然の保護や保全の活動について、考えられるようになる。

成績評価の方法および基準

期末の試験70%と授業中の課題30%を総合して評価します。ただし、授業に出席していないと試験が受けられないので注意してください

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献「日本列島100万年史」山崎晴雄・久保純子講談社
参考文献「樹木たちの知られざる生活」ペーター・ヴォールレーベン早川書房
参考文献「里山資本主義」藻谷 浩介角川書店 など

準備学修の内容

授業の終わりに次回のキーワードをいくつか提示するので、各自で検索して予習してみてください。

その他履修上の注意事項

他の受講者の妨げになりますので、授業中の私語はしないようにして下さい。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション -高尾山の四季-
第2回日本列島の形成 -付加体と中央構造線-
第3回関東の変遷 -地形的多様性の由来-
第4回武蔵野台地の歴史 -里山の形成-
第5回里山の自然誌 -多様性の贈り物-
第6回里山の利用 -薪炭林と農用林-
第7回雑草の生存戦略 -人間活動の逆用-
第8回木という生き方 -地上の競争と地下の協力-
第9回植物の防衛戦略 -巧妙な化学戦-
第10回里山と生物多様性 -多様性はなぜ必要か- (オンライン予定)
第11回里山の変容 -燃料革命と里山の放置-
第12回里山の保全 -雑木林ボランティア-
第13回木質バイオマスの活用 -里山の再利用-
第14回人工林の課題 -拡大造林の功罪-
第15回里山の将来