経営学演習Ⅱ
担当者前川  正教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [経済学研究科 経営学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

COSO理事会が2004年に出版した「全社的リスクマネジメント~統合的フレームワーク」は、組織がリスクを管理する取組みを行う場合に広く採用されてきましたが、同時にこの10年間でリスクの複雑さは変化し新しいリスクが生じています。2004年版の改訂は全社的リスクマネジメントの進化と、進化しつつある事業環境の要請に則して組織がリスクを管理するためのアプローチを改善する必要性に対処するために行われ、改訂版の書名は「全社的リスクマネジメント~戦略およびパフォーマンスとの統合(2017年)」として出版され戦略策定プロセスにおいても、パフォーマンス促進においてもリスクを検討することの重要性を強調しています。リスクとは選択の芸術(アート)であり科学(サイエンス)である、と言われています。組織の規模、形態、業種や活動場所を問わず、さまざまな組織にさまざまな方式で適用可能な世界標準の「全社的リスクマネジメント~戦略およびパフォーマンスとの統合(2017年)」を経営学演習ⅠⅡを通して学習していくことが授業の狙いとなります。

授業の到達目標

①全社的リスクマネジメントの最新かつ進化しつつある概念、ならびに適用に関しての大局的な視点を修得することができます。
②「全社的リスクマネジメント~統合的フレームワーク(2004年)」から「全社的リスクマネジメント~戦略及びパフォーマンスとの統合(2017年)」への進化・発展を理解できるようになります。

成績評価の方法および基準

①課題レポート(70%)と課題に対するプレゼンテーション(30%)の実施を通して総合的に判断します。課題については授業中に提示します。
②課題レポートとは別に、複数回行うレポートの取組状況を勘案します。
③毎回の確認チェックの取組状況を勘案します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
参考文献『COSO全社的リスクマネジメント』 ~戦略およびパフォーマンスとの統合~一般社団法人日本内部監査協会[監訳]同文館出版
参考文献『ISO31000:2018』リスクマネジメント解説と適用ガイドリスクマネジメント規格活用検討会[編著]日本規格協会

準備学修の内容

当日の講義は前回講義の各自の復習をもとに進めますので次のような準備学修課題を課します。
①講義で使用した資料は講義の翌日にはLMSにアップするので、復習を兼ねて資料を熟読してください。
②当日の講義内容の確認チェックをLMSの課題提出機能を活用して次回の講義までに提出してもらいます。
③講義内容に関連する文献・資料等(各回講義の中で都度参考文献は紹介)の自主学習に取組んでください。
④レポートの作成を複数回行います。その準備をしてください。
⑤課題レポートと課題に対するプレゼンテーション実施の準備をしてください。

その他履修上の注意事項

①欠席及び公欠の扱いについては原則大学の規定にフォローします。
②他の受講生の迷惑にならないように最低限の授業におけるマナーは厳守してください。(特に私語は慎んでください)
③受講に対してとくに対応が必要な場合(病気・ケガ・障害)は遠慮なく申し出てください。
④授業をよりよくしていく上での建設的な意見・感想・コメントも遠慮なく連絡ください。
⑤リスクと保険特講ⅠⅡを履修していること、あるいは同時に履修することを推奨します。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション-授業の進め方・成績評価の方法および基準・準備学修の内容等の概要説明
第2回パフォーマンス 10 リスクを識別する
第3回パフォーマンス 11 リスクの重大度を評価する
第4回パフォーマンス 12 リスクの優先順位づけをする
第5回パフォーマンス 13 リスク対応を実施する
第6回パフォーマンス 14 ポートフォリオの視点を策定する
第7回レビューと修正 15 重大な変化を評価する
第8回レビューと修正 16 リスクとパフォーマンスをレビューする
第9回レビューと修正 17 全社的リスクマネジメントの改善を追求する
第10回情報、伝達および報告 18 情報とテクノロジーを有効活用する  
第11回情報、伝達および報告 19 リスク情報を伝達する
第12回情報、伝達および報告 20 リスク、カルチャーおよびパフォーマンスについて報告する
第13回『COSO全社的リスクマネジメント~戦略およびパフォーマンスとの統合~』および『ISO31000 2018年改訂版』との比較
第14回レポートの書き方及びプレゼンテーションの仕方(オンライン授業:LMS)
第15回課題レポートの提出および課題に対するプレゼンテーションの実施