担当者 | 稲垣 綾子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | SEM-202 |
子どもと家族に関わる心理臨床では,多様な角度から人の存在や発達,関係性について理解を深め,あぐらをかくことなくたえず対話していくことが求められる。
秋学期の心理学基礎演習Ⅱでは,家族の臨床を行う上で欠かせない「親密性」を取り上げる。前半は,家族・夫婦・親子,友人や恋人などを含めた関係における「親密性」について,種々の実習ワークやロールプレイなどを取り入れ,理解を深めていく。後半は,春学期で得た知見も踏まえ,各自が関心をもつ子どもと家族の臨床的課題について詳しく調べ,パワーポイントにて発表し,ディスカッションしていく。
臨床の焦点となる人々の問題は,幾重にも重なる多様な要素の相互作用のプロセスの結果である。春学期に引き続き,この多元性や多様性を理解していく基礎を,体験的に身につけていくことを目的とする。
なお,外部講師を招聘する場合がある。
1)家族・夫婦・親子の関係性に絡むさまざまな事象について「親密性」の観点から体験的な理解を深め,その多元性や多様性を説明することができる。
2)自分が関心をもつ子どもと家族の臨床的課題について,文献・資料にアクセスし、詳しく調べ,整理することができる。
3)パワーポイントによる発表やディスカッションを通して,自分の考えや疑問を他者に伝えることができる。
発表内容とテーマの理解30%,ディスカッション・参加態度30%,レポート40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 逐語録による国谷セミナー (第Ⅱ部) ラバーテ理論による愛と親密 | 東京家族療法研究会編 | チーム医療 |
発表担当者は参加者が理解を深められるように,また参加者からの質問や意見に対応できるように,理解があいまいになっている部分を精査し,十分に調べて準備しておくこと。
必ず,テーマに関連した時事を呈示し,ディスカッションテーマを用意すること。
授業内で行われるワークやロールプレイでは,自分や周囲の事柄をテーマにすることがある。当事者やクライエントを理解する上では,自分自身の特性,課題について客観的に理解する視点は欠かせない。受講の際は,この点を十分に承知の上,臨むこと。個人でのワークのみならず,ペアワーク・グループワーク等も予定している。主体的,積極的,意欲的な発言と参加を求める。
ディスカッションの際は,他者の意見を踏まえ自分の考えや問いを立てること。わからなかったことは,自ら積極的に調べたり,質問したりすること。子どもに関わらず,親世代,祖父母世代,さまざまな年代のニュースに関心をもつこと。真剣に学ぼうとしている他の学生の邪魔をしないこと(私語,携帯電話,遅刻・欠席など)。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション・担当決め |
第2回 | 関係性に働きかける心理的アプローチ ―アセスメントの軸― |
第3回 | 家族ロールプレイ1 |
第4回 | 家族ロールプレイ2 |
第5回 | 実習ワーク①:家族療法における親密性の意義 |
第6回 | 実習ワーク②:親密性の成立と「空間」(接近―回避) |
第7回 | 実習ワーク③:親密性の成立と「時間」(発散―遅延) |
第8回 | 児童虐待-“親密性”の困難―について考える(ゲストスピーカーによる講義) |
第9回 | 子どもと家族の臨床的課題と心理支援:発表とディスカッション1_虐待 |
第10回 | 子どもと家族の臨床的課題と心理支援:発表とディスカッション2_発達の偏り |
第11回 | 子どもと家族の臨床的課題と心理支援:発表とディスカッション3_アタッチメント障害 |
第12回 | 子どもと家族の臨床的課題と心理支援:発表とディスカッション4_不登校 |
第13回 | 子どもと家族の臨床的課題と心理支援:発表とディスカッション5_離婚と子ども |
第14回 | 子どもと家族の臨床的課題と心理支援:発表とディスカッション6_社会的養護 |
第15回 | まとめ(オンライン授業) |