担当者 | 鈴木 智弘教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [経済学研究科 経営学専攻] | |
科目ナンバリング |
ヒト・モノ、カネの経営資源の内、ヒトは、極めてデリケートな経営資源であると共に、模倣が難しく永続的な競争力を生み出す源泉です。
HRM(人的資源管理論)は、企業の経営目標達成のためにヒトという経営資源を、どのように育成、活用してゆくのかについて学びます。
所謂米国型のMBA教育は、知識教育と、リーダー教育に重点を置いています。米国型のリーダー教育の本音は、「大多数の人間は無力であり、選ばれた者が社会を発展させる」「優秀な自分が、無力な一般人を導いてやる」というエリート意識に基づいています(このことの是非は、歴史、価値観の違いなので論じても意味がありません)。米国型のHRM、特にリーダーシップ教育は、エリートが、どのように意思決定をするのか、また、無力な一般人をやる気にさせて、目的達成に導くために、どのように振る舞うべきなのかを身につけることを目的にしています。このような米国型の考えは、日本型の組織や経営では、うまく機能しないことが多く、一方、日本企業が海外進出を進めれば、従来の日本型のHRMやリーダーシップが通用しないこともあります。どのようなフィールドで事業を行うのかによって、HRMもリーダーシップのあり方も異なります。
人的資源管理論特講Ⅰでは、人的資源管理論を、経営戦略の中に位置付け、日本社会、企業の環境変化を整理し、日本型HRMについて講義します。
初歩的なツール取得と異なり、大学、特に大学院では、「この授業を履修したから、直ぐに、何々ができるようになる」などということは、希有です。しかし、この講義では、受講者に、以下のことに到達することを求めます。
1.日本社会、企業の環境変化についての理解すること
2.人的資源管理論を、経営戦略の中に位置付けて考えられるようになること。
毎回の授業冒頭の小テスト合計30点、第15回講義での討論内容、期末レポート50点で評定します。
レポートの評価基準は、
1.設題に的確に答えているのか?
2.全社戦略の中に、人事戦略を的確に位置付けているのか?
3.専門用語を正しく使用しているのか?
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特に指定しません。 | ||
参考文献 | [新版]グロービスMBA経営戦略 | グロービス経営大学院大学 | ダイヤモンド社 |
毎回、授業冒頭に、前回の授業内容について、小テストを行うので、授業内容の復習を徹底してください。
特になし。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 「講義の進め方についてのオリエンテーションおよび講義の概要」(オンデマンド授業) |
第2回 | 企業におけるHRMの推移の要点 経営戦略、組織戦略の中にHRMをどのように位置づけるのか:戦略論、組織論の基礎理論の確認 1 |
第3回 | 企業におけるHRMの推移の要点 経営戦略、組織戦略の中にHRMをどのように位置づけるのか:戦略論、組織論の基礎理論の確認 2 |
第4回 | 企業におけるHRMの推移の要点 経営戦略、組織戦略の中にHRMをどのように位置づけるのか:戦略論、組織論の基礎理論の確認 3 |
第5回 | 第2回から第4回授業のまとめと復習 |
第6回 | 明治維新からの現在までの日本社会と企業の歴史展望 |
第7回 | これからのHRMに影響を与える変化の要因の整理 1.少子化、高齢化、人口減少、就業構造の変化 |
第8回 | これからのHRMに影響を与える変化の要因の整理 2.グローバル経済の進展と成長戦略 |
第9回 | これからのHRMに影響を与える変化の要因の整理 3.産業の空洞化と雇用の創出・維持の具体策 |
第10回 | 第6回から第9回授業のまとめと復習(オンデマンド授業) |
第11回 | 雇用の多様化と非正規雇用1 |
第12回 | 雇用の多様化と非正規雇用2 |
第13回 | 最近のトピック(働き方改革とリモートワーク) |
第14回 | 最近のトピック(成果主義) |
第15回 | 受講者全員による討論 |