欧米文化Ⅱ-Ⅱ
担当者
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングEUL-104

授業の概要(ねらい)

 「ヨーロッパ」という観念は、本格的には近代において成立しました。それは、18世紀から19世紀にかけての時期です。他方、ヨーロッパに成立する諸国家体系、すなわち近代国民国家の競合する国際関係の形成はヨーロッパ観念にとっては重大な競争相手となります。結局、制度としてのヨーロッパ・プランが実現するには第2次世界大戦による疲弊と国際的な地位の低下を待たねばなりませんでした。ここでは、ヨーロッパ文化の統一性を意識しながら、近代初期から20世紀前半までの主要な文化傾向をトピック的に扱います。その際、言語(国語)と国家の関係に特に着目してヨーロッパの文化的特性を論ずることにします。

授業の到達目標

 1.ヨーロッパの文化的特性について理解し、その特性を説明できる。
 2.ヨーロッパの国家形成と言語文化との関係から説明することができる。
 2.現代世界の母胎としての近代とは何か、説明することができる。

成績評価の方法および基準

 最後の授業で筆記試験を行います。期末テスト(80%)、小レポート(20%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『民族とナショナリズム』アーネスト・ゲルナー岩波書店

準備学修の内容

 講義中に取り上げるテキストや素材そのものが重要な参考文献になります。高校世界史の教科書や参考書、さらに概説的な通史をいつも参照できるようにしてください。

その他履修上の注意事項

 参考文献は興味関心に応じて積極的に手に取るようにしてください。

授業内容

授業内容
第1回 展望と講義の目的:ヨーロッパの民族と言語の配置について学ぶ
第2回 現代ヨーロッパの言語政策について学ぶ
第3回 ベルギー、ルクセンブルク、スイスの言語政策について学ぶ
第4回 イギリス・モデル(1):イギリスとイングランドの概念の違いについて学ぶ
第5回 イギリス・モデル(2):英語の形成について学ぶ(LMS)
第6回 イギリス・モデル(3):プロテスタンティズムの役割について学ぶ
第7回 フランス・モデル(1):共和国の神話ということについて学ぶ
第8回 フランス・モデル(2):フランスの多民族的基礎について学ぶ
第9回 フランス・モデル(3):ドーデーの「最後の授業」の読み解き方について学ぶ
第10回 ドイツ・モデル(1):「ドイツ」という言葉の起源について学ぶ
第11回 ドイツ・モデル(2):宗教改革について学ぶ(LMS)
第12回 ドイツ・モデル(3):グリム兄弟の脱神話化ということについて学ぶ 
第13回 映画『ミッション』の世界:イスパノ・アメリカの征服について学ぶ
第14回 ショスタコーヴィッチの「第5交響曲」:社会主義の文化について学ぶ
第15回 ヨーロッパの主要な国民文化の特徴を概括し、テストを行う。