現代政治理論Ⅰ
担当者川人 貞史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPOL-301

授業の概要(ねらい)

現代政治理論では,特に現代日本政治を中心として,現代政治学,政治過程論,比較政治学の知見・知識にもとづく政治制度とその作動に関する分析を概説します.現代政治では,政治制度の制約の下で政治アクターたちが互いに影響を及ぼしながら活動しています.現代の大規模民主政治においては,有権者が直接参加する直接民主政治を実現することは不可能であり,間接民主政治が必然です.現代政治理論Ⅰでは,日本国憲法の下で採用された議院内閣制に焦点を当て,そこにおける有権者から議員へ,議員で構成される議会から内閣へ,首相から各大臣へ,大臣から行政官僚制へと行われる委任と責任の関係について考察します.民主的政治制度としての議院内閣制を大 統領制と対比してその制度的特徴の違いを説明します.さらに,日本を事例として,議院内閣制の諸制度と政治アクターの行動について概説します.

授業の到達目標

①現代民主政治における政治制度の役割について,理解します.
②現代日本の政治制度についての理解を深めます.
③政治制度の制約の下で政治アクターがどのように行動するかについて理解します.

成績評価の方法および基準

 授業の各回における出席および随時実施するミニ課題の回答,LMSにアップされた授業スライドの既読マーク(あわせて50%),授業内試験(50%)にもとづいて評価します.

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『シリーズ日本の政治1 議院内閣制』川人貞史東京大学出版会,2015年
教科書このテキストは,現代政治理論Ⅰおよび現代政治理論Ⅱで用います.
その他の参考書については,適宜,講義で紹介します.
参考文献

準備学修の内容

 講義前に,テキストの該当箇所を読んで予習してきてください.事前に読んでわからなかったことは積極的に質問するようにしてください.
 講義前にアップロードされているスライドのPDFをダウンロードし,見ておくことが重要です.既読マークをつけることにより,教員が確認できるようにします.
 講義後には,とったノートを読み返し,自分のまわりの政治現象について政治学的な考え方を応用してみましょう.
 単位を取得するためそしてよい評価を得るためには,講義に出席し,期末の授業内試験を受験するだけでなく,テキストをしっかり読む必要があります.

その他履修上の注意事項

 秋学期の現代政治理論Ⅱも履修してください.
 自分で自ら考える習慣をつけるようにして,自分が日頃ニュースやネットなどで触れる政治について疑問を持つようにしてください.

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション online
第2回政治制度と政治アクター
第3回各国で異なる議院内閣制の作動
第4回議院内閣制の起源と発展 online
第5回議院内閣制と大統領制の特質
第6回委任と責任の連鎖
第7回戦前日本の内閣制度
第8回1947年の議院内閣制
第9回戦後日本の政治過程
第10回1990年代以降の議院内閣制
第11回内閣の存立と議会
第12回信任関係
第13回解散
第14回立法と2院制
第15回まとめと授業内試験