社会科・公民科教育法Ⅰ
担当者佐藤 高樹教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングESS-305

授業の概要(ねらい)

 この授業では、中等社会系教科(社会科・公民科)の指導の理論と方法について実践的に学ぶことを通して、当該教科を担当する教職としての専門的力量を身に付けていく。とりわけ、次の2点を主眼とする。
(1)社会科・公民科の目標及び内容:学習指導要領に示された当該教科の目標や内容を理解する。
(2)社会科・公民科の指導方法と授業設計:基礎的な学習指導理論を理解し、具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付ける。
※本授業は、教育職員免許法施行規則に定める教職に関する科目(「教育課程及び各教科の指導法に関する科目」)である。中学社会、高校公民の免許取得を希望する者にとっては必修である。

授業の到達目標

(1)社会科・公民科の目標及び内容
 ①学習指導要領における社会科・公民科の目標及び主な内容並びに全体構造を理解している。
 ②個別の学習内容について指導上の留意点を理解している。
 ③社会科・公民科の学習評価の考え方を理解している。
 ④社会科・公民科の背景となる学問領域との関係を理解し、教材研究に活用することができる。
 ⑤発展的な学習内容について探究し、学習指導への位置付けを考察することができる。
(2)社会科・公民科の指導方法と授業設計
 ①子どもの認識・思考、学力等の実態を視野に入れた授業設計の重要性を理解している。
 ②社会科・公民科の特性に応じた情報ツール及び教材の効果的な活用法を理解し、授業設計に活用することができる。
 ③学習指導案の構成を理解し、具体的な授業を想定した授業設計と学習指導案を作成することができる。
 ④模擬授業の実施とその振り返りを通して、授業改善の視点を身に付けている。
 ⑤当該教科における実践研究の動向を知り、授業設計の向上に取り組むことができる。

成績評価の方法および基準

 学習指導案(課題レポート)の提出(35%)、および授業参加度:授業中の発言、グループワーク等への参加状況等(25%)、その他、授業内容に関わるリアクション・ペーパーの提出状況(40%)に基づいて、総合的に判断する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『中学校学習指導要領解説 社会編』文部科学省東洋館出版社
教科書『高等学校学習指導要領解説 公民編』文部科学省東京書籍
教科書中学校社会科教科書(公民的分野)東京書籍
教科書高等学校公民科教科書(現代社会)東京書籍
教科書(※詳細は、初回授業時に指示する。)
参考文献
参考文献

準備学修の内容

(1)プレゼンや指導案作成など、授業外学修の割合が高い。受講前の段階から社会科・公民科に関する知識・情報収集(=教材研究)を行い、また、説明方法(資料や視聴覚メディアの活用方法)に関する学習を自主的に進めておくこと。
(2)課題の提出には、参考文献を読むことが欠かせない。図書館で参考文献や教育雑誌(論文記事)を頻繁に探すクセをつけること。

その他履修上の注意事項

(1)理由なく欠席した学生は、本授業を受ける資格を失うので注意すること(諸事情で出席できない場合は、前もって教員に連絡すること。研究室:10号館1階研113、メールアドレスなどは大学公式ウェブサイトの教員紹介ページを確認)。
(2)教科に関する知識(内容)なくして、指導法(方法)はありえない。学力がないのに、指導技術だけがうまくなる「万能薬」は存在しない。各自で知識の剝落を補う「学び直し」を同時に行いながら、授業に参加すること。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション―社会科・公民科を学ぶ意義(教科論)と生徒理解―
第2回 「問い」をつくる実践(1)―教材化に向けた「追究」の意義を理解する―
第3回 「問い」をつくる実践(2)―「追究」の成果発表―
第4回 学習指導要領をよむ―教育課程上における社会科・公民科の位置づけ―
第5回 社会系教科における「実践的指導力」の検討―実践論文をよむ―
第6回 中等社会系教科 授業構成理論の検討―社会科教育学研究の知見から―
第7回 中学社会・高校公民 授業づくりの検討(1)―教材研究の実践―
第8回 中学社会・高校公民 授業づくりの検討(2)―考えさせる「発問」―
第9回 中学社会・高校公民・授業づくりの検討(3)―公民的分野・現代社会の事例から―
第10回 教科書研究とその動向を学ぶ
第11回 シナリオ型学習指導案の作成・成果発表
第12回 学習指導案の作成に向けて
第13回 教材活用・指導方法の工夫をめぐって―現代的課題を対象とした実践例から学ぶ―
第14回 学習評価の枠組みを考える―評価規準と評価基準/パフォーマンス評価とは―
第15回 まとめと評価―課題レポート(学習指導案)の提出と相互批評―
 (※受講者の人数に応じて作業体験的学習を導入するなど、変更を行う。)