エコビジネス概論
担当者佐藤 宏樹
単位・開講先選択  2単位 [現代ビジネス学科]
科目ナンバリングENS-102

授業の概要(ねらい)

 エコビジネス(環境配慮型ビジネス)の世界観を知る上での入門講義です。
 日本経済の景気低迷が叫ばれる中、エコビジネスは今後も成長が期待できる産業分野です。どのようなモデルがあって、なぜ成長が期待されているのか? この講義では、これからの経済に大きい影響を与えると予測されているエコビジネスのビジネスモデルの成り立ちや仕組み、また将来展望を体系的に学ぶとともに、近年注目を集めている新しい環境問題や新しいビジネスの観点も考えていきます。
 環境というと自然環境のことのみを連想してしまいがちですが、たとえば生活環境や社会環境という言葉があるように、「環境」は人が生きる上で関わるさまざまなフィールドが対象となります。これらに関係するビジネスモデルにも触れていきたいと思います。
 *コロナの影響により授業の実施方法がシラバス執筆時点(2021年2月)で不透明なため、授業が始まる数日前には念の為LMSを確認するようにしてください。

授業の到達目標

 本講義は「エコビジネス」をテーマに、社会問題に対して「興味」を持つきっかけを作り、「意識」を高め、受講生それぞれが自らなりの「意見」を持ち、それらを「言語化」できることを目指します。また、他者の意見にも耳を傾けられるようになってほしいと思います。

成績評価の方法および基準

 授業への出席は基本とし、授業への参加度30%、各授業でのリフレクションコメント30%、期末試験40%を目安として、総合的に評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 以下の参考文献の他、必要な参考文献・資料は講義中にお伝えします。また興味のある事例についてWebや新聞、ニュースなどから情報として得ておいてください。
参考文献『ソーシャルデザイン(アイデアインクシリーズ)』 編著者:グリーンズ朝日出版社(2012年)
参考文献『日本をソーシャルデザインする(アイデアインクシリーズ)』 編著者:グリーンズ朝日出版社(2013年)
参考文献『アクティブ・ホープ』 著者:ジョアンナ・メイシー / クリス・ジョンストン、訳者:三木直子春秋社(2015年)

準備学修の内容

 変化や進化が激しいビジネスのため、最新事例をWebや新聞、ニュースなどを用いて常にインプットしておきましょう。普段使用している使い慣れたツール(Twitter、Facebook、スマートフォンアプリなど)でも構いません。大事なのはいかに関連する情報に触れているかです。さらに、興味を持った内容についてはより深く情報を集め、可能であれば関連する文献を読んでおくと良いです。

その他履修上の注意事項

 情報を知るだけを目的とするのではなく、環境やそれらを含む社会課題について興味を持ち、知識を深めることで自らの「考え」を持てるようになることを目指しましょう。また、環境問題や社会課題の解決という視点で就職先や起業など、これからのキャリアを考えるきっかけにしてもらいたいと思います(現在検討中のトピック「地熱発電」「フードロス」「スマートシティ」と授業内容が入れ替わる可能性があります。その場合は授業にてお知らせいたします)。
 また、この講義は佐藤が受け持っている3つの講義(エコビジネス概論:1年後期〜、環境関連法規入門:2年前期〜、環境系キャリアサポート概論:2年後期〜)と連携しており、導入編に位置付けられます。受講する順番は自由ですが、連続して受講すると理解が深まると思います。

授業内容

授業内容
第1回なぜ“エコ”の視点が必要なのか?この授業の目的を考える ~イントロダクション~ 【オンデマンド授業(予定)】
第2回エネルギー源を何に依存するのか 〜原子力・100,000年後の世界の安全のために〜
第3回地域の公害問題から世界の環境問題へ 〜エコビジネスが必要とされてきた歴史〜
第4回エコビジネスのキホンのキ 〜環境配慮型ビジネスにはどんなモデルがある?〜
第5回転換点を迎えたもっとも身近な自然エネルギー 〜太陽光エネルギー〜
第6回コスパ最高 なのに普及しないのはなぜ? 〜風力エネルギー〜
第7回ひとりひとりの行動がビジネスモデルの源泉 〜リサイクル、廃棄物処理技術〜
第8回新エネルギー源によって変わる世界の力関係 〜シェール資源、メタンハイドレート〜
第9回京都議定書をきっかけに始まった世界的協働の動き 〜国際排出量取引、カーボンオフセット〜
第10回日本も歩んだ産業発展への道 〜PM2.5 中国の実情から〜
第11回変わる農業 肉体労働から頭脳労働へ 〜スマートアグリカルチャー〜
第12回種を支配するものが世界を制す 〜食、不自然な人工物〜
第13回環境に接しない企業はない 非エコビジネス企業の2つ目の顔 〜マーケティングとブランディング〜
第14回”みんな一緒に”が意識浸透の秘訣 〜イベント×環境配慮〜
第15回環境に対する自分の在り方を考える 〜リフレクション〜