憲法特講Ⅰ
担当者金澤  誠教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPUL-201

授業の概要(ねらい)

 ミシュラン・ガイドにも掲載された高尾山に登ろうとする場合、いくつかの方法がある。ケーブルカーやリフト。徒歩でさえ登ることができる!自分の身体を考えつつ、それぞれの「選択」がある。憲法特講Ⅰを履修する人は、おそらく憲法ⅠⅡを履修を終えたばかりの学生(が多いはず)。高尾山でいえば、ケーブルカー「高尾山駅」で降りたあたりの、あのちょうど眺めがよくて、遠くにたぶんうちの大学が見える場所だ。
 この講義は、中腹にいる皆さんに、高尾山の魅力をより伝えようというものだ!ブラタモリでもやっていたように、高尾山には普段私たちが気づかない多くの魅力がある。憲法という科目の魅力(ゴール)も、ひとによってそれぞれだろう。1)一般常識を求めるもの、2)公務員試験、各種国家試験対策、3)司法試験を目指す、4)憲法そのものを研究したい。
 今年度は、比較的わかりやすい配布資料を用いて、「憲法(高尾山)全体を概観する作業」をしたい。資料は易しいが、あっという間に登頂が終わる(標高は599メートル・憲法は103条しかない)から、「事前の」準備学習が必須である。山(憲法)全体の輪郭をつかめることが最大の目的である。そうすれば、怖いものなどない。猿も狸も友達である。
 もちろん、皆さんにはゴールを「自ら」決めて勉強する自由がある。目の前の森林や貴重な植物に惹かれてもよいし、山梨県そして富士山を目指してもよい。やっぱり団子や蕎麦ということも否定しない。しかし、「うるさい」ガイドの話を聞いてみると、より視野が広がるかもしれない。それに、今ならまだ(人生の?)岐路(転轍機)の直前だ。高尾山「全体の構造」を先に(頭を使って空間的に)把握してみるのも、悪くはないはず。
 最後にひとつ。うっかり「滑落」して、救急隊と一緒に下山するひとが毎年出ている。高尾山(講義)を馬鹿にしないように、心はまじめに、予習もしっかりと……それなりの負担は心得ておくように!

授業の到達目標

①憲法の分野における、高度な知識を獲得することができる。
②講義でとりあげた複数の憲法判例の内容を、両当事者の主張を踏まえつつ、説明することができる(社会には、いろいろな意見があることを認識できる)。
③新聞や法律雑誌、さらには、ツイッター(?)などで、日々議論されている法律問題について、法的根拠を挙げながら、批判もしくは受容できる(昨日の自分より、ほんの少しだけ新聞記事を読めるようになった気になる。世の中の怪しい(?)評論家に対して、軽くコメント【ツッコミ?】をいれられる)。

成績評価の方法および基準

試験による評価が原則です(50%)。講義中の貢献と小課題(25%)、中間テストによる評価(25%)があります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは、初回に決めます。さしあたりは、学部時代に購入したような、憲法の基本書や判例集があると便利です。
教科書
教科書
参考文献『マンガでわかる憲法入門』伊藤真ナツメ社
参考文献『郷原豊茂の新・憲法まるごと講義生中継』郷原豊茂TAC出版
参考文献『公務員試験 スピード解説 憲法』鶴田秀樹実務教育出版
参考文献『憲法判例の射程(第2版)』横大道聡編弘文堂

準備学修の内容

毎回、資料として配布する演習課題を解いてくること、判例の要約が求められます(90分)。これらは、中間テスト、学期末テストに連動します。人数にもよりますが、授業中の双方向コミュニケーションを重視します。

その他履修上の注意事項

①難しくいえば、社会生じている法的現象に興味を持つことが求められます。最新の判例を扱うこともあります。新聞やニュースを見ておきましょう。
②山ですから、滑落には注意してください。何号路を選ぶかは、基本的には自由です。山頂でその成果をお聞きします。自分の足で歩きましょう。コピペ答案は見抜きます。

授業内容

授業内容
第1回高尾山口駅(本当にのぼりますか?デモクラシーで決めるとは?)
第2回山ろく駅(地図・憲法とはどんな文書か?他の山との比較)
第3回圏央道(動物の権利、多様性って?人間の権利、憲法13条)
第4回峠の茶屋(何を食べるかは、プライバシーの問題。GPSって?憲法35条)
第5回薬王院(お寺なの?神社なの?政教分離)
第6回蕎麦(あなたの「そば」で歌いたくないの!良心の自由)
第7回お団子(自己決定権、意思決定する自由、生存権)
第8回男坂(男女差別?クォータ?)
第9回女坂(夫婦同姓強制合憲判決。女子もつらいよ。ジェンダーって。セクシャルマイノリティって?)
第10回森林・植物(森林法違憲判決?)
第11回さる園(あなた、あの猿に似てるねって、ヘイトスピーチ?条例による規制)
第12回山頂・裏高尾で富士山が見えたら(富士山って誰のもの?憲法89条?)
第13回大垂水峠(難解な峠で、最近の判例を検討する)※授業の進み具合を見ながら、最新の判例を扱う予定。『判例回顧と展望』(法律時報)などを参照。
第14回陣場山(公務員試験の過去問、司法試験の問題・学術論文を見てみよう!)(外部講師の話を聞くなど)
第15回山梨県・富士山へ(オンライン授業)(まとめにかえて・到達度の確認)