国際法Ⅰ(歴史・法源)
担当者喜多 康夫教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングILA-201

授業の概要(ねらい)

 新聞やテレビなどの報道機関の影響のせいか、各国政府の動向などの国際政治が着目される傾向が世間にはあるかと思います。そのためか、国際法についてよく理解されていなかったり、逆に誤解されることも多いかと思います。例えば、武力紛争が起こるたびに「国際法は死んだ」とか、「国際法は役に立たない」などと言われますが、このような発言は、国際法が国際関係において現実に果たしている役割を正しく理解しているとはいえません。平時であろうと戦時であろうと、主権国家の関係を規律するのが国際法の役割であって、それを理解することが重要です。
 本講義の目的は、2つあります。第1の目的は、上記で指摘した国際法が実際に果たしている役割を学生のみなさんに知ってもらうことです。本講義では、国際法の歴史的発展とその法源(存在形式)を説明します。第2の目的は、国際法を通して、学生のみなさんのリーガル・マインドの育成にあります。そのため、判例解説に重点をおきたいと思います。

授業の到達目標

 ①国際法の基本知識をさらに発展させ、国際法秩序の全体像を理解できる。
 ②リーガルマインドを成長させることができる。

成績評価の方法および基準

 成績評価については授業貢献(50%)とLMS試験(50%)に基づいて行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 条約集は必須ですが、まだ2021年度版は出版されていないので、授業時に指示します。
参考文献『基本国際法(第3版)』 杉原高嶺有斐閣
参考文献『判例国際法(第3版)』 薬師寺公夫・坂元茂樹・浅田正彦・酒井啓亘 (編集代表)東信堂

準備学修の内容

 LMSでPowerPointのスライドのpdfファイルを授業資料として配布しますので、そのpdfファイルに目を通しておいてください。また復習テストも実施する予定です。

その他履修上の注意事項

 【関連科目】国際法の授業は全体として「国際法Ⅰ(歴史・法源)」、「国際法Ⅱ(主体)」、「国際法Ⅲ(空間)」及び「国際法Ⅳ(秩序維持)」の4コマから構成されており、国際法の全体像を理解するためには、このすべてを履修することが望ましいと考えます。また、さらに国際法の専門分野として、「国際組織法I/II」「国際人権法」「国際安全保障法」「国際経済法I/II」「国際裁判所論I/II」「国際刑事法I/II」などがあり、より深く勉強できるようになっています。
 【学生へのメッセージ】第1回目のオリエンテーションで、授業のスケジュールと単位の取得方法などを説明します。質問のある学生は、yaskita@main.teikyo-u.ac.jpにまでメールを送ってください。なお、その場合は表題に「・・・の件」とした上で、氏名及び学籍番号と用件の内容をメール本文に記して送ってください。匿名メールはスパムとして取り扱います。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
第2回01. 国際法の特徴
第3回02. 国際法の歴史(1):17世紀まで
第4回03. 国際法の歴史(2):18世紀と19世紀
第5回04. 国際法の歴史(3):20世紀以降
第6回05. ICJ規程第38条:形式的法源
第7回06. ICJ規程第38条:法則決定の補助手段と衡平
第8回07. 条約法(1):概念と締結過程
第9回08. 条約法(2):効力発生と適用除外
第10回09. 条約法(3):解釈
10. 条約法(4):無効と終了
第11回11. 慣習国際法と多数国間条約
第12回12. ICJ規程第38条以外の法源
第13回13. 国際法の階層的秩序化
第14回14. 国際法と国内法の関係
第15回オンライン授業としてまとめと復習テストの実施