事例検討基礎実習Ⅰ
担当者笠井 さつき教員紹介
単位・開講先選択  1単位 [文学研究科 臨床心理学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 グループでの事例検討では,もちろん現場での臨床的な当事者間のリアリティはある程度損なわれざるを得ないが,当事者間だけでは見失いがちな客観的視点を取り戻し,視野を広げ,技法や理論・病理などの理解を深め,孤立せずに支えを得ることが可能である。これは報告者だけではなく,参加者にも有用な方法であり,まさに,心理療法家となるうえで必須のトレーニングであるといえる。
 初学者として事例検討会に陪席することで,事例検討の実際について学ぶ。つまり,詳細に報告された事例からケースの見立て方や面接の進め方を学び,教員を含めた参加者とでなされる討論から,様々な立場からのケースへのアプローチや論点について学ぶ。この実習は,心理療法の実践的なトレーニングの第一段階となるものである。そのための準備として,まず事例検討会がどのようなものなのかを教科書を使い討論する。さらに,事例検討会に実際に参加する中で,並行して発表の内容の理解を深めるためのふりかえりや,児童・思春期の参考書の内容の討論,テーマに即した記述を実践的に進める。 
 

授業の到達目標

 本実習は,初学者としてケースカンファレンスに参加するものであり,準備を含めた参加の態度や守秘義務の遵守,クライエントの尊重といった心理療法家の基本を習得する。

成績評価の方法および基準

 授業,事例検討会への参加の態度,発表やリアクションペーパー等を通して,総合的に判断する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 事例検討会から学ぶ  ケースカンファランスをつくる5つのエッセンス 成田善弘
 渡邉素子,北島智子,佐竹一予,徳冨里江
金剛出版
参考文献 授業の進行に沿って適宜紹介する
参考文献
参考文献

準備学修の内容

 関連する各講義(心理療法特論,臨床心理学特論,臨床心理面接特論など)を受講することはもちろん,各講義で提示された文献を読み,事前学習を欠かさず,積極的な態度で臨んで欲しい。心理療法に関する知見を深めて置くことが望ましい。

その他履修上の注意事項

 心理臨床センターでのケース担当のために必須の授業ですので,必ず履修してください。
真剣に学ぼうとしている他の院生の邪魔をしないこと(私語,携帯電話,遅刻・欠席など)。
 主体的・創造的な参加が望まれる。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーションと心理臨床センターの入室について
スケジュールについて
第2回教科書指定箇所について討論1(オンデマンド形式)
第3回教科書指定箇所について討論2
第4回教科書指定箇所について討論3
第5回事例検討会
第6回ふりかえり
児童期参考書指定箇所について討論1
第7回児童期参考書指定箇所について討論2
エピソード記述とは
第8回児童期参考書指定箇所について討論3
エピソード記述
第9回事例検討会
第10回ワークディスカッション
第11回思春期指定箇所について討論1
エピソード記述発表①
第12回思春期指定箇所について討論2
エピソード記述発表②
第13回思春期指定箇所について討論3
第14回事例検討会
第15回ふりかえり
前期のまとめと後期への課題について