博物館経営論
担当者岡部 昌幸教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングCAS-201

授業の概要(ねらい)

 美術館・博物館を知り、親しみ、楽しく学びましょう。今日、博物館学の存在と意義は社会および生涯教育の上でますます重要になってきています。その一方で、博物館・美術館はその運営や形態、目的の上で転換期を迎えていることは、館の内外で問題とされる点です。博物館本来の機能と目的を歴史的に再検証し、新しい「美術館博物館」像を模索、実験しているのが現代といえます。本講では、その現代社会で求められる、あるいはあるべき「美術館博物館」の姿を、経営論の観点から考察します。現代社会の変化に応じて、否応なく博物館が求められているのは第一にマネージメント、経営感覚です。博物館における経営論を考究しつつ、また総合的な見地から論じたいと思います。毎回、討論を求め、適宜小論文を課します。受講者は、自分の住む、または育った地域の観点から国際的な観点まで、さまざまな立場で、「美術館・博物館」を意識し、学習し、そして提言することが求められます。

授業の到達目標

 美術館・博物館の歴史と発展をふまえ、現状とその問題を分析しつつ、近未来の「美術館・博物館」の理想を、経営の観点にたって受講者ひとりずつが明確にもてるよう学ぶことを目的とします。

成績評価の方法および基準

 学期末レポートを50%、授業中の課題提出、授業態度等を50%の割合で総合評価を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『近代美術の都モスクワ-トレチャコフ美術館とプーシキン美術館』(東洋書店)
教科書さらに、講義の際にプリントを用意し、その他のテキスト及び参考書を指示します。
参考文献

準備学修の内容

 指示された美術館・博物館への調査、見学、ワークショップ等への参加、学外授業への参加を課します。

その他履修上の注意事項

 博物館学は、実際の社会および実際の博物館との関連が深いものです。したがって、社会に即応する学問であり、極めて高い社会参画意識が必要とされます。受講のためには生活態度を律し、自己責任を認識するのはもちろん、旺盛な学習意欲と自主性を前提とします。教科書の通読と博物館見学(10館、博物館展示論既修者は5館、見学に支障のある受講者は必ず、履修登録前に教室で教員の説明を聞き、申し立てた上で指示を受けること。)は必修です。

授業内容

授業内容
第1回 アンケートの分析、広報、ヴォランティア
第2回 変革する美術館・博物館の運営と意義。
第3回 公共サービスと職員の役割。館園の現場での問題、理想の博物館
第4回 地域・コミュニティと美術館博物館のミッション
第5回 美術館博物館を利用した教育
第6回 美術館博物館建築と機能(1)建築の力
第7回 美術館博物館建築と機能(2)建築の機能
第8回 学外授業ー美術館博物館見学
第9回 ミュージアム・ショップとグッズ、博物館とサービス
第10回 グローバルでダイヴァーシティな社会のなかでの美術館博物館
第11回 国際社会における美術館博物館のリニューアル
第12回 美術品の収集
第13回 収集と美術館の意義
第14回 コレクションの形成(1)現代アート
第15回 コレクションの形成(2)寄贈の受け入れ