保健医療分野に関する理論と支援の展開
担当者佐々木 真一
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 公認心理師が誕生し、保健・医療分野へのますますの参画が期待されています。公認心理師として理解しておくべき医療保健分野の知識と技術は、様々な機会に繰り返し学ぶことが望まれますが、本講義では、医療保健分野の基本的な知識に基づく個々の心理的支援について、その実践と展開を学びます。

授業の到達目標

 保健医療分野において、チーム医療の一員として求められる基本的な知識、手順を理解し見識を身につけること。医療保健分野において公認心理師に求められる心理的支援の実践的基礎を理解し説明できること。

成績評価の方法および基準

 講義内での「小テスト」(2回)20%、小レポート20%、発表・ディスカッションへの参画60%の割合で評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献「精神神経疾患ビジュアルブック」 秋山剛、音羽健司編集学研メディカル秀潤社
参考文献「公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法」 下山晴彦、中嶋義文編集医学書院
参考文献「精神科医はそのときどう考えるか ケースからひもとく診療のプロセス」 兼本浩祐医学書院
参考文献「標準精神医学 第7版」 尾崎紀夫、三村將、水野雅文、村井俊哉編集医学書院

準備学修の内容

 講師が作成したスライド・プリントをもとに講義します。レポート発表とディスカッションにおいては、自身がレポートするテーマだけでなく、提示する全てのテーマについて「理解できたこと」「できなかったこと」「ディスカッションのポイント」を整理して講義に臨んでください。関連する用語の意味・定義などは各自で調べておいてください。

その他履修上の注意事項

 言うまでもないことですが、くれぐれも講義には出席し、発言・質問など積極的に行ってください。レポートの準備やディスカッションには、積極的に参加してください。参加者同士で助け合って学修を進めてください。
 この科目は、公認心理師試験受験資格を得るために必要な科目です。

授業内容

授業内容
第1回保健医療分野の制度の概要
保険医療の仕組み、地域保健の仕組みを理解する
第2回保健医療分野の実践
チーム医療の展開、安全安心な医療に向けた取り組みなど、保健医療分野での実践の基礎を理解する
第3回精神保健医療福祉の制度の概要
精神保健医療福祉の歴史と現在の枠組み、及び課題を理解する
第4回精神保健医療福祉の実践
精神疾患の治療、特に薬物療法と、心理的支援の手続きの概要を理解する
第5回代表的な精神疾患の理解①(発表とディスカッション)
代表的な精神疾患についての発表・ディスカッションを通し、医療と心理的支援の概要を理解する(統合失調症、うつ病・双極性障害)
第6回代表的な精神疾患の理解②(発表とディスカッション)
同上(神経認知障害、神経発達障害)
第7回代表的な精神疾患の理解③(発表とディスカッション)
同上(心的外傷・ストレス性障害、物質関連・嗜癖性障害)
第8回代表的な精神疾患の理解④(レポート発表とディスカッション)
同上(摂食障害、パーソナリティ障害)
第9回身体疾患の理解と心理的支援の概要
ストレスと心身相関、代表的な身体疾患における心理的支援の概要を理解する。
第10回地域保健分野における心理的支援
地域保健分野における個人への/集団への/コミュニティへの心理的支援の概要を理解する。
第11回地域保健分野における心理的支援の展開①(発表とディスカッション)
地域保健分野における様々な課題についての発表とディスカッションを通し、心理的支援の概要を理解する。(学校におけるメンタルヘルス、職場におけるメンタルヘルス・自殺対策)
第12回地域保健分野における心理的支援の展開②(発表とディスカッション)
同上(慢性精神疾患の地域ケア、災害医療と被災者支援)
第13回地域保健分野における心理的支援の展開③(発表とディスカッション)
同上(高齢者の地域包括ケア、子育て支援と虐待防止・虐待対応)
第14回事例検討(精神科医療)
事例の検討を通し、精神科医療と心理的ケアの実際を理解する。※オンラインで実施予定
第15回事例検討(地域保健)
事例の検討を通し、地域保健と心理的ケアの実際を理解する。