行政法Ⅰ
担当者𠮷田 貴明教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングPUL-201

授業の概要(ねらい)

 行政の役割はきわめて広範です。私たちの日常生活に身近なものとしては,たとえば,上下水道の供給や廃棄物の処理などがあります。他方で,行政は,望ましい経済政策のあり方や公衆衛生の維持・向上といった,わが国の社会全体と大きく関係するものでもあります。こうした多様な行政に関連する法分野を総称して行政法といいます。限りのある時間のなかでは,個々の行政活動すべてを個別に学習していくのは困難でしょう。
 そこで,行政法の学習にあたっては,これらに共通する部分を抽出し,その基本的な考え方について理解していくことが重要です。具体的には,①行政はどのような組織によって行われるのか(行政組織法),②行政は私たちとの間にどのような法関係をもたらすのか(行政作用法),③行政によって私たちの権利利益が侵害されたときはどうするのか(行政救済法),という3つの類型に分けられます。この科目では,前記①および②に係る基本的事項を学習します。

授業の到達目標

 この科目では,以下の2点を目標とします。
①行政法総論(行政組織法・行政作用法)の基本的なしくみを説明できるようになること。
②現実に生じた行政上の課題について,判例・学説の考え方に基づいて考察できるようになること。

成績評価の方法および基準

 小テストおよび期末レポートにより評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『現代行政法入門(第4版)』 曽和俊文ほか(有斐閣)
参考文献『行政判例百選Ⅰ・Ⅱ(第7版)』 宇賀克也ほか編(有斐閣)
参考文献『行政法判例50!』 大橋真由美ほか(有斐閣)
参考文献『社会とつながる行政法入門』 大橋洋一(有斐閣)
参考文献『行政法概説Ⅰ行政法総論(第7版)』 宇賀克也(有斐閣)
参考文献『行政法概説Ⅲ行政組織法(第5版)』 宇賀克也(有斐閣)

準備学修の内容

 この授業では,テキストに従って講義を進めていきます。そのため,テキストを用いて予習・復習を行ってください。
 予習:テキストの指定範囲をあらかじめ読み進め,わからない用語等があれば参考文献で確認しておいてください。
 復習:理解が十分でない点を中心に,講義において取り扱った箇所をテキスト・ノートや参考文献等により見直してください。

その他履修上の注意事項

 行政法総論の学修に際して,憲法や民法等他の法律科目に係る理解が求められる項目があるため,適宜復習する必要があります。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回法治主義と法律による行政の原理
第3回行政法規範の多様性
第4回行政行為1:総論
第5回行政行為2:取消しと撤回
第6回行政の実効性確保
第7回非権力的な行政活動1:行政指導
第8回非権力的な行政活動2:行政契約
第9回行政活動と情報
第10回手続法的コントロール1:申請処分手続
第11回手続法的コントロール2:不利益処分手続
第12回実体法的コントロール1:行政裁量
第13回実体法的コントロール2:法の一般原則
第14回組織法的コントロール
第15回総括:行政作用法・行政組織法