生徒指導・進路指導論
担当者和田  孝教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [現代ビジネス学科]
科目ナンバリングESS-111

授業の概要(ねらい)

 生徒指導及び進路指導・キャリア教育は、一人一人の生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高め、生徒自らが将来の進路を選択・計画し、その後の生活によりよく適応し、社会的・職業的自立するための基盤となる資質・能力を学校教育全体を通じて、組織的、継続的に指導・支援していく教育活動である。
 本授業においては、生徒指導及び進路指導・キャリア教育の意義や原理を理解するとともに、校内組織及び関係機関と連携しながら、これらの教育を進めていくために必要な知識・技能を身に付けることをねらいとしている。
 また、生徒指導及び進路指導・キャリア教育の視点に立った授業改善や体験活動、評価改善の推進やガイダンスとカウンセリングの充実に必要な知識や素養を実践的に身に付けていくことや、生徒の生徒指導上の課題や進路、生き方に関する今日的課題を踏まえながら、長期的展望に立った人間形成を目指すための指導の在り方や進め方について考察する。

授業の到達目標

(1)教育課程における生徒指導の位置付けや各教科、道徳教育、総合的な学習の時間、特別活動における生徒指導の意義や重要性を理解している。
(2)生徒指導における集団指導と個別指導の方法原理、生徒指導と教育相談の体制や基礎的な考え方の違いを理解している。
(3)生徒指導を行う上で、それぞれの教員の校務分掌上の立場や役割、指導方針及び年間指導計画に基づいた組織的な取組の重要性、 基礎的な生活習慣の確立や規範意識の醸成等の日々の生徒指導の在り方を理解し、指導の場や機会を具体的に例示することができる。
(4)生徒指導上の課題について、主な法令の内容(校則、懲戒、体罰等)や定義(暴力行為、いじめ、不登校等)及び対応の視点を理解するとともに、今日的な課題への対応(インターネットや性に関する課題、児童虐待等)について、専門家や関係機関との連携について説明できる。
(5)教育課程における進路指導・キャリア教育の位置付け、教育活動全体を通じたキャリア教育の視点と指導の在り方を例示し、組織的な指導体制及び家庭や関係諸機関との連携の在り方を理解している。
(6)職業に関する体験活動を核とし、キャリア教育の視点を持ったカリキュラム・マネジメントの意義やガイダンスの機能を生かした進路指導、キャリア教育の意義や留意点を理解している。
(7)生涯を通じたキャリア形成の視点に立った自己評価の意義を理解し、 ポートフォリオの活用の在り方を例示することができるとともに、 キャリア・カウンセリングの基礎的な考え方と実践方法を説明することができる。

成績評価の方法および基準

平常点50%(積極的な授業参加、及び課題レポートの提出等)、定期試験50%等を規準に総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
参考文献『新しい時代の生徒指導・キャリア教育』和田孝・有村久春ミネルヴァ書房
参考文献『生徒指導提要』文部科学省教育図書
参考文献中学校「キャリア教育の手引き」文部科学省教育出版

準備学修の内容

 レポート、発表、ディスカッションのために十分な準備をしておくこと。
 また、定期試験も広範囲となるので、テキストや配布された資料を熟読しておくこと。

その他履修上の注意事項

 授業内容は広範囲なので、積極的テキストを読んで勉強しておくこと。また、日常生活でも教育問題に関心をもつこと。特に新聞などに掲載される教育に関する問題などを、意識的に読むようにしておくこと。授業は積極的に参加すること。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション[到達目標(1)]
・生徒指導の意義と重要性
第2回生徒指導の意義と原理[到達目標(2)]
・集団指導・個別指導の方法原理等
第3回教育課程と生徒指導[到達目標(1)(3)]
・教育課程における生徒指導の位置付け
・教科における生徒指導
・学級活動・ホームルーム活動と生徒指導等
第4回 生徒の心理と生徒理解[到達目標(2)]
・児童生徒理解の基本
・発達障害の理解
・青年期の心理と発達等
第5回学校における生徒指導と教育相談の体制[到達目標(2)(3)]
・生徒指導と教育相談
・学級担任・ホームルーム担任が行う教育相談等
第6回 生徒指導の進め方①[到達目標(2)(3)(4)]
・児童生徒への全体指導と個別の課題を抱える児童生徒への指導
・問題行動の早期発見と効果的な指導等
・非行等の問題行動に関する対応と指導(少年非行、家出、暴力行為、喫煙、飲酒、薬物乱用)
第7回生徒指導の進め方②[到達目標(2)(3)(4)] 
個別の課題を抱える児童生徒への指導(その1)
・いじめ等の問題行動に関する対応と指導
・インターネット・携帯電話にかかわる課題
第8回生徒指導の進め方③[到達目標(2)(3)(4)]
個別の課題を抱える児童生徒への指導(その2)
・不登校等の諸問題に関する対応と指導
第9回生徒指導の進め方④[到達目標(2)(3)(4)] 
個別の課題を抱える児童生徒への指導(その3)
・生徒指導の諸問題に関する対応と指導(性に関する課題、自殺防止、児童虐待等)
・生徒指導に関する法制度(懲戒と体罰、非行少年の処遇等)
・関係機関との連携の在り方
第10回進路指導とキャリア教育の推進①[到達目標(5)]
・進路指導とキャリア教育の意義と教育課程上の位置づけ
・キャリア教育の方法と技術
・職業観・勤労観の形成等
第11回進路指導とキャリア教育の推進②[到達目標(6)(7)]
・キャリア教育の進め方
・キャリア形成とキャリア発達にかかわる諸能力
第12回進路指導とキャリア教育の推進③[到達目標(5)(6)]
・進路相談の進め方
・小学校、中学校、高校でのキャリア教育の実践
第13回進路指導とキャリア教育の推進④[到達目標(6)]
・職場体験簿意義とガイダンス機能の充実
第14回生徒指導、進路指導、キャリア教育を推進する指導体制[到達目標(3)(5)]
・社会人基礎力 教師の健康管理(メンタルヘルス)
第15回生徒指導・進路指導やキャリア教育に関する諸問題のまとめ [到達目標(4)(5)]
・学校と家庭、地域、関係機関との連携