財政学Ⅱ
担当者市川  樹
単位・開講先選択  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングPFP-202

授業の概要(ねらい)

 私たちは日々の生活で、税金や社会保険料を支払っている。例えば、買い物をした時やアルバイトをした時に税金を支払い、20歳になってからは年金を支払っている。こうして支払ったお金はどのように使われているのだろうか?財政の問題は私たちの生活に密接しており、身近な問題を考えるうえで必要な知識を身につけることにつながる。本講義では特に、地方財政と社会保障についての制度・理論・歴史について学ぶ。そのうえで、実際の地方自治体の取組や社会保障制度改革について自ら調べ、自ら考え、文章や言葉で伝えることができるようになることを目指す。

授業の到達目標

① 地方財政・社会保障の基礎的な知識を身につけ、基本的な用語や最近の問題について他者に説明できるようにする。
② 日本の地方政府の特徴を理解し、地方政府の財政状況を理解できるようにする。具体的には、決算カードを理解できるようにする。
③ 日本の地方財政の歴史的文脈を理解し、特に最近の問題について理解し他者に説明できるようにする。
④ 地方政府や社会保障制度が普段の生活にどのようにかかわっているか理解できるようにする。

成績評価の方法および基準

課題レポート・小テスト:60%
 ・課題レポートでは、決算カード及び実際の自治体の取組を調べてもらう。
期末試験:40%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書の指定はない。毎回の授業では講義ノートや関連資料が配布される。
参考文献『地方財政を学ぶ』沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸有斐閣ブック
参考文献『日本の地方財政 第2版』神野直彦・小西砂千夫有斐閣
参考文献『福祉財政』高端正幸・伊集守直ミネルヴァ書房

準備学修の内容

・ポータルサイトなどを使い、授業時間外に理解が不十分な授業の資料の確認を行ってもらう。なお、毎回の授業で質問フォームを用意するので、必要に応じて質問を行ってもらう。
・総務省HPの「決算カード」や「地方財政白書」について調べてもらうことがある。特に決算カードについては、内容の理解のために何度かレポートにまとめてもらう。
・実際の自治体の取り組みを理解してもらうために、八王子市などのHPを調べてもらう。

その他履修上の注意事項

・「財政学Ⅰ」をすでに履修していることが望ましいが必修ではない。
・毎回の授業で質問フォームを用意するので、わからない点や知りたいことがある場合には積極的に質問をしてもらいたい。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回日本の地方財政の現状:少子高齢化と地方消滅の危機
第3回地方財政の予算:予算のプロセスと、首長・議会での予算審議
第4回地方政府の経費:地方政府の性質別歳出と目的別歳出の違いと推移
第5回地域開発と地方財政:地域経済に地方財政が及ぼす影響
第6回地方税:どのような税金が地方税として徴収されているのか学ぶ
第7回政府間財政関係①:交付税交付金の仕組みと役割、近年の改革について
第8回政府間財政関係②:国庫支出金の仕組みと役割、近年の改革について
第9回地方自治体の財政破綻を考える:財政破綻の可能性と破綻を防ぐ仕組み
第10回社会保障の基礎 :日本の社会保障の概要と地方政府が果たす役割
第11回年金の基礎:年金のしくみと課題
第12回社会サービスと地方財政:教育や介護と地方政府との関係
第13回住民参加と地方財政:市民の声を反映する仕組みを考察
第14回まとめ/期末試験
第15回期末試験の解説(オンライン授業)
 ※各回の授業の内容は変更される場合がある。