担当者 | 佐藤 斉華 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SEM-402 |
約14年間の学校生活をおくり、「社会に出る」ことをそろそろ目前に控えた皆さん。グローバル化した現代社会は、技術革新によるかつてない利便性を享受できる一方で、安全な水や食料、最低限の住処すらない何十億の人がおり、緩慢な(あるいはそれほど緩慢でもない)環境破壊が進み、誰もが管理と監視のネットワークに絡めとられつつ「儲け」に駆りたてられる社会でもあります。そこで生き延びるのが困難なのは、何も貧困国の人々だけではありません。相対的に豊かな国に生きる私たちも、まともな雇用が縮減するなか、そこここでいじめ、セクハラ・パワハラ、サービス残業から過労死まで、「ブラックな」現実に遭遇し、あるいは遭遇することに脅えながら生きることを余儀なくされています。さらには、そうした不正義に声をあげれば叩かれる、自由を求めれば炎上する、そんな世の中にますますなっていくかのようです。
「ただ生きる」ことすらときに困難なこの社会/世界のなかで、よりよく、より豊かに、より自由に生きるために、私たちはどうしていったらよいのでしょうか? よりよい社会、つまり、個々人が豊かにその生を営める、それぞれの豊かな生を追求できる社会とは、どのような社会でしょうか? そしてそうした社会を、どうしたら実現できるのでしょうか?
確かなことは、その実現のためには個人レベルをこえた恊働作業=社会的実践が必要だということです。ゼミでの実践=恊働作業は、そのための第一歩。春秋を通じて互いに語りあい聴きあう(テクストを読みプレゼンし討論しレポートを書く…etc.)実践を通じ、今ここにあるのとは違う世界についての私たち(女性、男性、あるいはその他何らかの性的アイデンティティを帯びた諸個人である、私たち)のヴィジョンを深め、広げていきましょう。
・現代社会/世界の生存と労働をめぐる状況について、大局的な認識と展望を獲得する。
・それを踏まえて、これからの自分が社会/世界のなかでいかに「働く/動く」べきかについてのヴィジョンを形成する。
毎回の授業への出席・参加が単位修得の前提である。授業内の発表(30%)、授業への参加(40%)、期末レポート(30%)を総合して評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特になし。 |
・授業で扱う問題領域のなかで、興味深いテーマをさがし、それについて授業内発表の準備をする。
・この発表をベースにして、期末レポートとしてまとめていく。
・4年生は、各自の大学生活の総括となる卒業研究を進める。
基本的に、既にどこかにある知識を吸収することを目的とする授業ではありません。吸収は前提、問題はそこからどうアウトプットするか。常に、自分はどう「動く/働く」かを考えましょう。
いずれにせよ出席・参加が基本となります。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション(1)授業案内 |
第2回 | イントロダクション(2)「労働」世界のルールを学ぶ/「労働」をめぐる問題をどう解決していくか |
第3回 | 〈オンライン授業〉3年生の発表テーマ検討 |
第4回 | 卒業研究中間報告(1) |
第5回 | 卒業研究中間報告(2) |
第6回 | 卒業研究中間報告(3) |
第7回 | 3年生の発表とディスカッション(1) |
第8回 | 3年生の発表とディスカッション(2) |
第9回 | 3年生の発表とディスカッション(3) |
第10回 | 3年生の発表とディスカッション(4) |
第11回 | 3年生の発表とディスカッション(5) |
第12回 | 3年生の発表とディスカッション(6) |
第13回 | 3年生の発表とディスカッション(7) |
第14回 | 卒業研究最終報告(1) |
第15回 | 卒業研究最終報告(2)、1年の振り返りと展望 |