刑法各論Ⅱ
担当者久保田 隆教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングCRL-204

授業の概要(ねらい)

 本講義では、殺人罪や窃盗罪、放火罪といった個別の犯罪類型の成立要件や、それらの犯罪の相互関係について学びます。秋期の「刑法各論Ⅱ」では、主に、個人的法益に対する罪のうち、財産犯、および、社会的法益に対する罪を扱います。

授業の到達目標

①刑法各論の全体像を把握し、各犯罪を体系的に位置づけることができる。
②各犯罪の成立要件と典型事例を学び、問題となる行為が何罪に当たるのかを理由とともに説明できる。
③各犯罪ごとに、類似する犯罪との区別に関する判例・学説を学び、限界事例を適切に処理できる。
④①〜③を踏まえたうえで、今まさに日本で起きている問題について検討し、社会を見る眼を養う。

成績評価の方法および基準

【対面授業の場合】学期末試験(95%)および授業への貢献度(5%)によって評価します(授業への貢献度については、出席状況や授業態度、担当教員からの質問への応答などをもとに判断します)。
【オンライン授業の場合】学期末レポート(70%)およびリアクションペーパー(30%)によって評価します。
※2021年8月4日現在、本講義は9月24日(金)より対面で実施される予定です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『刑法各論〔第3版〕【新・論点講義シリーズ2】』井田良=佐藤拓磨弘文堂
教科書『刑法各論判例50!』十河太朗=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱有斐閣
参考文献『入門刑法学・各論〔第2版〕』井田良有斐閣
参考文献『講義刑法学・各論〔第2版〕』井田良有斐閣
参考文献『刑法II 各論』亀井源太郎=小池信太郎=佐藤拓磨=薮中悠=和田俊憲日本評論社
参考文献『刑法各論〔第7版〕』西田典之=橋爪隆〔補訂〕弘文堂
参考文献『判例プラクティス刑法Ⅱ 各論』成瀬幸典=安田拓人=島田聡一郎〔編〕信山社
参考文献『刑法判例百選Ⅱ〔第8版〕』佐伯仁志=橋爪隆〔編〕有斐閣

準備学修の内容

 毎回、授業の最後に翌週の授業の内容を予告しますので、上記「教科書」(『刑法各論〔第3版〕【新・論点講義シリーズ2】』)の該当箇所を読んで予習してきてください。
 さらに、授業後には、わからなかった点やもっと深く知りたいと思った点について、上記参考文献を使って復習するようにしてください。また、授業中に登場した重要な判例については、上記「教科書」(『刑法各論判例50!』)をはじめとする判例教材(「参考文献」掲載のものも含む)の該当箇所に目を通すと、より理解を深めることができます。

その他履修上の注意事項

・「刑法総論I・Ⅱ」をすでに履修済み、または、並行して履修していることが望ましいです。
・授業では、毎回レジュメを配布します(LMSにもアップロード予定)。
・六法を毎回必ず(!)持参してください(小型のもので構いません)。
・質問や相談は、授業後の休み時間、または、授業後にLMSで受け付けます(オンライン授業の場合は、LMSのみ)。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション 春期の復習|秋期の内容の概観
第2回財産に対する罪① 財産犯総説(財産犯の体系的分類・基本概念)
第3回財産に対する罪② 窃盗罪|不動産侵奪罪
第4回財産に対する罪③ 強盗罪(1)
第5回財産に対する罪④ 強盗罪(2)
第6回財産に対する罪⑤ 詐欺罪・恐喝罪(1)(「特殊詐欺」問題を含む)
第7回財産に対する罪⑥ 詐欺罪・恐喝罪(2)(「特殊詐欺」問題を含む)
第8回財産に対する罪⑦ 横領罪・背任罪(1)
第9回財産に対する罪⑧ 横領罪・背任罪(2)
第10回財産に対する罪⑨ 盗品等に関する罪|毀棄・隠匿の罪
第11回財産に対する罪⑩ 財産に対する罪の総括|営業秘密侵害の罪(「産業スパイ」問題を含む)
第12回社会的法益に対する罪① 概説|公共の安全に対する罪(放火の罪)
第13回社会的法益に対する罪② 公共の信用に対する罪(概説|偽造の罪)
第14回【対面授業の場合】秋期のまとめと期末試験/【オンライン授業の場合】社会的法益に対する罪③ 風俗に対する罪(概説|わいせつの罪|賭博罪)
第15回【対面授業の場合(※オンラインで実施)】社会的法益に対する罪③ 風俗に対する罪(概説|わいせつの罪|賭博罪) /【オンライン授業の場合】期末レポートの講評