担当者 | 佐藤 斉華 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [資格科目] | |
科目ナンバリング | CUA-102 |
人間は、文化に育まれつつ社会に生き、また社会を変えつつ文化を創造していく生き物である。人のふるまい・思考・感性は、地球上の様々な場所で、歴史上の様々な時代に、きわめて多様なかたちにおいて現象してきた。それは人間の「自然」―それを解剖学的構造、生理的欲求、あるいは遺伝情報等の何であると考えるにせよ― によって既に決まっているものではない。私たちは人間を、その「自然」状態において見ることはないのである。文化人類学とは、社会・文化的存在である人間をその社会・文化的多様性において認識し、「自己」とは異なるかたちで社会・文化的に形成されてきた「他者」の姿を「自己」の鏡としつつ、自己の、あるいは人間の、さらなる可能性を探究する営みである。
人類学のカバーする広汎な問題領域のなかで、この授業では特に「性(ジェンダー/セクシュアリティ)」にかかわる諸問題を切り口として、人間の多様性と可能性を明らかにしていく。私たち一人一人にとってきわめて身近な(むしろ卑近ですらある)「性」をめぐる現象だからこそ、これを改めて検討することは、社会的・文化的に形づくられてきた自らのありようを根源的に見つめなおす格好の機会となるはずである。履修生が授業での討議を通じて日々の経験と実践を振り返り、捉え返し、個々人の、また社会・文化的レベルでの今後の展望を形成していくことめざす。
・文化人類学的認識の基本を修得する。
・「性(ジェンダー/セクシュアリティ)」の多様性、社会・文化的構築性についての理解を形成し、性をめぐる様々な社会的課題について展望を持つ。
毎回講義後に課するテストないし課題の提出(LMSを利用)によって評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『ジェンダーで学ぶ文化人類学』 | 田中 雅一・中谷 文美(編) | 世界思想(2005年) |
参考文献 | 『はじめてのジェンダー論』 | 加藤秀一 | 有斐(2017年) |
・授業でとりあげるテーマと関連する参考書の箇所を、授業の前/後に読む。
・毎回授業前/後に課されるテストないし課題(LMSを使用)に取り組んで提出する。
基本的に講義形式の授業である。授業で提起される問題を自分自身への問いとして受けとめ、傾聴し、考察を深めてほしい。私語厳禁。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 文化人類学へのイントロダクション(1):文化人類学再入門 |
第2回 | 文化人類学へのイントロダクション(2):「他者」と出会う方法 |
第3回 | 性の人類学へのイントロダクション(1):「性」をなぜ人類学がとりあげるのか |
第4回 | 性の人類学へのイントロダクション(2):性は遺伝子で決まる!?(進化主義再考:「同性愛」を材料にして) |
第5回 | 性を生きる(1)装う①(「装い」への人類学的視座) |
第6回 | 性を生きる(2)装う②(ヴェールを通した「他者」との出会いに向けて) |
第7回 | 性を生きる(3)性の二項対立再考①(世の中、女と男しかいない!?) |
第8回 | 性を生きる(4)性の二項対立対立再考②(性別二元論を超えて) |
第9回 | 性を生きる(5)育てる①(子育てへの人類学的視座) |
第10回 | 〈オンライン授業〉性を生きる(6)育てる②(「子ども」の人類学) |
第11回 | 性を生きる(7)産む①(出産への人類学的視座) |
第12回 | 性を生きる(8)産む②(出産の近代、そしてこれから) |
第13回 | 性を生きる(9)交わる①(「性的行為」への人類学的視座) |
第14回 | 性を生きる(10)交わる②(「性的行為」の近代、そしてこれから) |
第15回 | 今期のまとめと展望 |