商法総論
担当者品川 仁美教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-211

授業の概要(ねらい)

 「商法」は、皆さんにとってあまり馴染みがなく、親しみにくい分野に感じられるかもしれない。
 しかし、皆さんの多くは、スーパーやコンビニで買い物をしたり、バイト先で商品を売ったり、仕入れを行ったりと、実際には様々な経済活動を日常的に行っているだろう。これらの経済活動に係わる商人とはどのような者なのか、商人らが行う商取引とはどのようなものなのかを規定し、その上で、種々の商取引について規律を設けるのが商法である。
 とはいえ、実のところ、これら商法上の規定と実務上のやり方には違いがある場合もある。本講義では、なぜ商法の規定と実務上の取り扱いに違いが生じるのか、それでは法律は全くの無意味なのか、法律にはどのような役割があるのかなど、様々な観点からもコメントを加えながら話を進める。本講義を通じて、皆さんは、日常当たり前のように行われている取引の後ろに、この講義で学ぶ様々なルールが隠れていることを知り、世界が一つ広がるような、そんな気分を味わうことができるだろう。
 一般的に商法に関連する法律には、商法(商法総則、商行為法等)だけでなく、会社法、決済法(手形小切手法)などの様々な分野があるが、本講義では「商法」の一番の基礎部分にあたる商法総則を中心に講義を行う。具体的には、商人とはどういう者か、商取引とはどういうものか、商人が人を雇って助けてもらうような場合に関係する規定はどのようなものかなど、法律上の規定を理解したうえで、判例や実務上の取り扱いがどうなっているかを合わせて理解し、自身の言葉で説明し、議論ができるようになることを目指す。

授業の到達目標

 ①商人や商取引という基本的な概念を理解し、説明することができる。
 ②商業使用人を雇って経営を行う場合の法律問題について理解し、説明することができる。
 ③①②に関する重要な判例を理解し、自分の言葉で説明することができる。

成績評価の方法および基準

 小テスト:10%
 授業内試験:90%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『商法総則・商行為法』(第8版、2019)近藤光男著有斐閣
参考文献『商法判例百選』(2019)神作裕之・藤田友敬編有斐閣

準備学修の内容

シラバスの授業内容を参照して、テキストの該当箇所を読む。
次の授業で扱う範囲を理解した上で、日経新聞等の中で関係するニュースを探してまとめてくる。
(詳細は初回授業で説明する)

その他履修上の注意事項

民法の授業を履修済み、もしくは並行して受講していることが望ましい。
授業中の私語等、迷惑行為は厳に慎むこと。
出席して居ることを前提とするため、授業で配布したレジュメ等は、事後的に配布することはしない。

授業内容

授業内容
第1回 【オンライン授業(LMS)】イントロダクション、春期の授業の進め方について
第2回 【一回分授業が足りない分の補講としてオンライン授業(LMS)】商法の意義、商法の法源、商法の適用、商法の基本概念
第3回 商人①(商人の定義)
第4回 商人②(商人の定義、商人の得喪)
第5回 商行為①(商行為の分類、絶対的商行為)
第6回 商行為②(営業的商行為)
第7回 商行為③(営業的商行為、付属的商行為)、商業登記①(商業登記とは)
第8回 商業登記②(商業登記事項、商業登記の審査権、商業登記の消極的公示力)
第9回 商業登記③(商業登記の積極的公示力、不実登記)
第10回 商号①(商号の意義、商号の選定、商号使用権)
第11回 商号②(名板貸)
第12回 商業使用人①(商業使用人の意義、商業使用人の種類、支配人の意義)
第13回 商業使用人②(支配人の選任、支配人の代理権、支配人の義務)
第14回 商業使用人③(表見支配人)
第15回 まとめと授業内試験