授業の概要（ねらい）

　簿記論特講Ⅰの学修内容を継続します。会計行為（認識、測定、伝達）と簿記の基礎構造、機能を理解した上で、会計学と簿記との関係を考察します。簿記論特講Ⅱでは、簿記処理の根拠となる原則・基準との関係性を踏まえて、簿記論特講Ⅰの学修内容を掘り下げていきます。
　なお、現実の問題として、大学院に入って初めて簿記を学ぶという学生（とくに留学生）が履修する場合もあります。この場合には、これらの学生のニーズへの対応も必要と考えています。つまり、既修得者と初心者を分けた複式授業も予定しています。

授業の到達目標

　複式簿記と会計理論の関係を考慮に入れた簿記処理の理解を目標にします。簿記・会計を学ぶと、経済の動きを、会計言語を通じて理解できるようになります。さらに、その根底を流れる法則、「貸借平均の原理」に支えられた、一つの思考回路を身に着けることができる点も重要です。物事は多面的ですが、物事を見る一つのスコープないし羅針盤を手に入れることになるということです。この「思考の道具（会計思考）」を手に入れたという実感を持ってもらうことが２つ目の到達目標です。

成績評価の方法および基準

　簿記を習得するためには、実際に作業することが必要です。授業中の受講姿勢・演習問題配布プリントの達成状況（65％）や小テストの達成状況（35％）を目安として、総合的に判断します。

教科書・参考文献

準備学修の内容

　授業中に配布するプリントを自分で解き、各回の学修事項をイメージ化し、作図化してください。簿記システムの理解とその習得には、自ら実践的に学ぶことが必要です。各人の進度に応じて適宜提示します。

その他履修上の注意事項

　簿記は、既定の処理技術と思われがちです。しかし今日のような会計制度の大変革期には、既にある方法への順応に加えて、これから生じる新しい現実への適応が不可欠です。単なる技能の修得ではなく、全体を見通すために必要な理論的基盤を備えて簿記の持つ企業管理機能を理解する心構えで学修して下さい。

授業内容