東洋史籍講読2-Ⅲ
担当者楯身 智志教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHAA-403

授業の概要(ねらい)

 前近代中国の正式な歴史書(正史)は、いずれも「紀伝体」という方法で編纂されている。「紀伝体」とは、王者・皇帝の年代記(紀)と人物の伝記(伝)を中心に歴史を記録する方法のことである。つまり、中国の歴史とは、戦争や反乱・災害などの「モノゴト」よりも、王や皇帝・政治家・将軍・商人などの「ヒト」に焦点を当てて、記録されていたことになる。歴史書というと難しい印象を受けるが、人物の伝記は比較的読みやすい。小説感覚で気楽に読むこともできる。本講義では、中国古代の正史である『史記』の伝を読み、偉大な業績を挙げた人物の半生を復元しつつ、歴史資料の使い方を学習する。
 本講読では主に現代語訳を用いて中国正史の特徴をつかむことを目的とする。具体的には、まずは教員主導で『史記』の描く中国古代の歴史(殷~前漢)を概括した上で、伝記の読解方法をレクチャーする。その上で受講者に自分の担当する伝記を選んでもらう。受講者は伝記の内容をレジュメやパワーポイントにまとめ、発表する。発表の仕方は基本的に自由であるが、担当する人物の魅力が伝わるよう、各自工夫してもらう。担当ではない者も発表に対する疑問・感想などを積極的に発言し、議論に参加する。

授業の到達目標

・「紀伝体」で編纂された中国正史の特徴を理解する
・中国古代の著名な人物の半生を自分なりに整理・分析できる
・歴史上の人物の業績を他人に分かりやすくプレゼンできる

成績評価の方法および基準

・平常点(発表内容・授業中の発言など)50%
・レポート(発表内容をまとめたもの)50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献史記小竹文夫・小竹武夫訳筑摩書房

準備学修の内容

・自身が担当するか否かにかかわらず、発表で取り上げられる人物について基本的な情報を把握しておくこと。発表者だけでなく、視聴者側にも基礎的な知識がなければ、議論が成り立たない。議論が活発化するよう、各自努力すること。

その他履修上の注意事項

・未知の物事について自ら積極的に調べる姿勢を身につけられるよう努力すること
・授業中は分からないことや疑問に思ったことを積極的に質問すること

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス *オンライン
第2回『史記』が描く時代
第3回担当決め+穣侯列伝を読む1
第4回穣侯列伝を読む2
第5回受講者による発表(一週目)1
第6回受講者による発表(一週目)2
第7回受講者による発表(一週目)3
第8回受講者による発表(一週目)4
第9回受講者による発表(一週目)5
第10回受講者による発表(二週目)1
第11回受講者による発表(二週目)2
第12回受講者による発表(二週目)3
第13回受講者による発表(二週目)4
第14回受講者による発表(二週目)5
第15回総括 *オンライン