西洋経済史Ⅱ
担当者田中 延幸教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングECH-206

授業の概要(ねらい)

 今日の経済は、市場経済あるいは資本主義というシステムを基盤としている。しかし、このシステムは、つい今しがた形成された不変の存在ではない。資本主義的市場経済のシステムは、人類の長い歴史の中の特定の段階において成立し、とりわけ20世紀=現代を通じて大きく変容して今日に至っている。このことを踏まえ、この授業では、西洋=欧米に焦点をあて、資本主義的市場経済が20世紀=現代を通じてどのように変容してきたのかを説明する。その際、社会の領域やヨーロッパ統合の領域に留意しながら、国際経済(世界経済)の変容ばかりではなく、国民経済(イギリス・フランス・ドイツ・アメリカ経済)の変容も重視する。したがって、この授業を通じて、西洋=欧米を中心に、20世紀=現代における資本主義的市場経済の歴史的な変容、ならびに、資本主義的市場経済の多様性について学ぶ。なお、西洋経済史Ⅰでは、世紀転換期から1930年代大不況期までの時代を扱い、西洋経済史Ⅱでは、第二次世界大戦以降の時代を扱う。

授業の到達目標

(1) 欧米を中心に現代の資本主義的市場経済の歴史的な形成について理解し、説明することができる。
(2) 現代のイギリス・フランス・ドイツ・アメリカ経済の特質の歴史的な形成について理解し、説明することができる。
(3) 国際経済(日本と世界の経済)の現状を歴史の視点から把握する能力を修得する。

成績評価の方法および基準

平常点(授業への意欲):20%
中間試験(中間レポート):20%
期末試験:60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『エレメンタル欧米経済史』馬場哲・山本通・廣田功・須藤功晃洋書房
教科書プリントも配布する。
参考文献

準備学修の内容

 授業で配布されたプリントやノートを見直し、図書館に所蔵されている関連文献や資料も読んで、各回の授業内容について理解を深める。

その他履修上の注意事項

 西洋経済史Ⅰの履修を前提とする。なお、第8回目にあたる授業については、オンライン授業(LMSによるオンデマンド型のオンライン授業)を実施する予定である。ただし、授業全体の進捗状況によっては、オンライン授業の予定を変更する場合もある。オンライン授業の詳細については、オンライン授業の内容や日程の確定後、授業やLMSを通じて告知する。授業に出席し、また、LMSを確認することによって、オンライン授業に関する情報を取得すること。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回第二次世界大戦期の経済
第3回国際経済秩序の再編
第4回イギリスの戦後改革
第5回フランスの戦後改革
第6回西ドイツの戦後改革
第7回ヨーロッパ統合の制度化
第8回中間総括と中間試験(中間レポート):オンライン授業
第9回ヨーロッパの輸出主導型高度成長
第10回国際通貨危機
第11回国際経済秩序の転換
第12回アメリカ発の世界金融危機
第13回ネオ・リベラリズムとグローバリゼーション
第14回グローバリゼーションとEU
第15回総括と期末試験