担当者 | 徳力 徹也教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | SOL-202 |
経済法の中核である競争法(独占禁止法)の概要と企業結合(合併等)規制を説明します。これを通じて競争法の概要・意義を理解してください。その上で、最近の重要問題(GAFA等のプラットフォーマー・ビッグデータ等)に対する競争法の取組みを説明します。
市場経済は、全ての経済問題を解決できません。授業では、市場の失敗等に対処する経済規制(事業法)の必要性・その概要等を説明します。また、関連して経済規制等に伴う問題点・政府の失敗についても説明します。
必要に応じて、みなさんの間で独占禁止法上の問題を討議していただきます。
①本講義は、独占禁止法・事業法(経済規制等)の理解を通じて、「基本的な知識を有し、その分野の全体像を見渡したうえで、論点を把握することができる」ようになることを目標とします。
②特に、受講生において、我が国の経済ルールの在り方について、新聞等の報道内容を理解して議論できるようになること(「新聞で報道されている規制見直しは、〇〇との目的を有している。しかし、××との弊害が生じるおそれがある。これらを考慮して、私は、この見直しに賛成/反対である」との議論を行えるようになること)を最終的な目標とします。
基本的に期末試験結果(50%)、課題提出・小テスト・授業での発言等(50%)に基づき評価します。
(専らオンライン授業となった場合、期末試験を行わず、オンラインでの課題提出状況・小テストに基づき評価します。)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | なし | ||
参考文献 | 『経済法入門』 | 泉水文雄 | 有斐閣 |
各講義のレジメを配布・LMS掲載するので、当該レジメを読んでください。
レジメ記載の課題について、各自が検討し、レポート提出又は発表(適宜指名)してもらいます。
なお、経済活動に係る新聞記事等を日常的に読むように努めてください。
自分が政策担当者・ビジネス法務担当者になったつもりで、「どのような経済システム・経済ルールが望ましいか」などの問題意識を持ってください。
なお、授業中の私語は、厳禁です。
回 | 授業内容 |
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第1回 | (春期の復習)市場経済システム(競争)の機能・メリットは? 競争ルールとしての独占禁止法の必要性・その内容は? |
第2回 | 新聞に「A社とB社の合併に関する独禁法の問題」と書いてあった。 独占禁止法は、合併等(M&A)を何故・どのように規制しているだろうか? 最近の合併等規制事例を検討しよう。 |
第3回 | 前回の続き・・・ 最近の合併等(M&A)規制に関する事例を検討して理解を深めよう。 |
第4回 | 最近の経済問題に関する検討①:標準化と競争法(サムスン・アップル事件等) +ネット取引と競争法(ネット販売制限事件等) |
第5回 | 最近の経済問題に関する検討②:GAFA(支配的プラットフォーマー)と競争法ⅰ (総論+EU:Google事件等) |
第6回 | 最近の経済問題に関する検討③:GAFA(支配的プラットフォーマー)と競争法ⅱ (我が国の最近の取組状況:立法措置等) |
第7回 | 市場の失敗と経済規制等①(総論・情報の非対称性:許可制等の参入規制) |
第8回 | 市場の失敗と経済規制等②(公共財・外部性) |
第9回 | 市場の失敗と経済規制等③(規模の経済性:電力産業の規制とその見直し状況) |
第10回 | 格差是正と経済規制(既存事業者保護のための輸入・参入規制等) (補)効率性と平等性の関係 |
第11回 | 政府の失敗(政府が正しい経済規制を行えるだろうか?) 最近の経済規制の見直し状況(経済・社会の変化に応じた事業法の見直し等) |
第12回 | 経済規制(事業法)の法的問題①:憲法(「営業の自由」)との関係:薬事法違憲判決等 |
第13回 | 経済規制(事業法)の法的問題②:競争制限的な行政立法・行政指導等の問題ⅰ |
第14回 | 経済規制(事業法)の法的問題③:競争制限的な行政立法・行政指導等の問題ⅱ |
第15回 | まとめと期末試験 |