政治史Ⅰ
担当者三輪 博樹教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPOL-103

授業の概要(ねらい)

 インドは現在、新興国のひとつとして注目されており、わが国にとっても、経済や安全保障などの面で重要な国となりつつあります。この科目では、英国による植民地支配の時期から現在までのインドの政治史について説明します。
 前半では、植民地支配の時期におけるインドの政治指導者の行動に関して、独立運動に対する考え方の違いや、インドの国づくりをめぐる考え方の対立などについて説明します。後半では、独立後のインドの国内政治に関して、主要政党の動向、インドの社会・経済の変化、そうした変化が政党政治に及ぼした影響などについて説明します。
 各回(第1回と第15回を除く)の授業の終了後に小テスト(400字程度の記述式問題、LMSによって提出)を行います。小テストでは、授業で学んだ知識を確認するだけでなく、授業で学んだ事柄に対して自分なりにどう考えるのか、各自の考え方や意見などをまとめていただきます。この授業を通して、インドの政治・経済・社会に対する理解を深めていただければと思います。

授業の到達目標

 以下の3つを到達目標とします。(1)植民地支配の時期から現在までのインドの政治史について、インドの社会や経済などとの関連も含めて理解する。(2)わが国の政治との比較という観点からインドの政治史を理解し、解釈する。(3)インドがこれまで直面してきたさまざまな問題について、その原因や解決策などに関して自分なりの考えを提示できるようになる。

成績評価の方法および基準

 各回の小テストの合計点(40%)と、期末試験の結果(60%)を合わせて評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。また、さらに学習を深めたい方に向けて、参考文献を授業の中で紹介します。
参考文献

準備学修の内容

 初回の授業のときに、2回目以降の授業内容の詳細について説明し、各回の「予習・復習のポイント」をまとめた資料を別途お渡しします。各回の授業で使用するレジュメや資料は、授業の1週間前までにPDFファイルの形でLMSで公開しますので、初回にお渡しする「予習・復習のポイント」を参考にしながらレジュメや資料を読み、内容を理解するとともに、疑問点などを明らかにしておいてください。

その他履修上の注意事項

 「政治史(アジア)I」と「政治史(アジア)II」、もしくは「政治史I」と「政治史II」を続けて履修することをおすすめしますが、この科目だけを履修した場合でも内容が理解できるように配慮します。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション:授業の概要と進め方、インドという国について
第2回インド社会についての概要:カーストと宗教、地域的な多様性
第3回植民地支配下のインド(1):英国による植民地支配
第4回植民地支配下のインド(2):独立運動の展開
第5回独立直前のインド:国づくりをめぐる考え方の対立
第6回インド国民会議派による一党優位
第7回野党の攻勢と1977年の政権交代
第8回一党優位政党制の崩壊
第9回カースト制度と特定カースト優遇政策
第10回ヒンドゥー・ナショナリズム
第11回経済自由化政策とその影響
第12回アイデンティティとガバナンス
第13回2000年代のインド政治
第14回ナレンドラ・モディ首相の登場
第15回授業のまとめと試験