心理学基礎文献研究Ⅱ
担当者木原 久美子教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングPSY-202

授業の概要(ねらい)

 時間の流れに伴い、自らも、周囲との関係も変化する中で、自らの生き方を模索しつつ、変わらない自分を心の底に意識しつつ、その時々の生活を営む存在として人を捉え直すところに臨床発達心理学の特徴がある。今や、人生80年と言われる時代である。長い生涯の中で人はどのような変化を遂げるのか、どんな課題に直面するのか、どのように乗り越えようとするのか、心理職には何が出来るのかについて考えていく。具体的な進め方は春期と同じだが、少し担当箇所が多くなる。検討の流れは以下の通りである。各回のテーマの報告を輪番制で担当する・テキストをまとめるだけでなく、出された検討点についての答えを考える・検討点について小グループに分かれて意見交換する・グループごとに発表する・自分の最初の考えに立ち戻り、さらに検討を深めて行く。毎回、テキストの中から問いを出すので、ディスカッションしながら、答えを考え、レポートにまとめて提出することになる。受講生のディスカッションに立ち会い、可能な限り検討が深まるよう、サポートしていきたい。

授業の到達目標

(1)臨床の場における発達支援の概要を知る。
(2)参加者はグループになって問いに沿ってディスカッションすることで、他者の意見を聞きながら自分の考えをことばで表現できるようになる。
(3)教科書に書かれた内容を身近な例と対応づけながら理解を深めることができる。

成績評価の方法および基準

以下の評価基準の通り、出席状況が大きく影響する。以下の通り計100点+αで評価する。
(1)担当箇所の発表とレジュメの内容(10点)。
(2)授業参加態度(+α点)。
(3)授業内レポート(13回×5点=65点)
(4)学期末レポート( 25点)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書よくわかる臨床発達心理学 第4版 麻生武・浜田寿美男ミネルヴァ書房
参考文献

準備学修の内容

(1) 発表担当者のみならず、履修者全員がテキストの該当箇所を事前に読んでおく(予習)。
(2) 発表担当者は、発表当日までにLMSにレジュメを掲示する(担当者)。
(3) 発表後1週間以内に、該当する章の問いに対する答えをレポートにしてLMSに提出する(復習)。

その他履修上の注意事項

(1) 春と秋で教科書を1冊読み込むので、早めに用意しておくこと。
(2) 補足資料は授業で配布する。
(2) 問いはLMSを使って配信するので必ず事前に確認すること。
(3) ディスカッションするメンバーは絶えず入れ替え、履修者全員と話す機会を設けている。

授業内容

授業内容
第1回初回は、これから学習する領域についてガイダンスし、各自の担当箇所についての説明を行う。
春期の続きから始めるが、履修生の人数によってはテーマが前後する可能性がある。
第2回発達の遅れを生きることの意味、そしてそれが問いかけるもの、発達テスト(コラム10)について学ぶ。
第3回ダウン症とは何か・出生前診断(コラム11)について学ぶ。
第4回姿勢・運動の障害とは何か・重度心身障害の子どもたち(コラム12)について学ぶ。
第5回ことばの障がいとは何か・発達健診(コラム13)について学ぶ。
第6回失語症とは何か、失語症を生きることの意、そしてそれが問いかけるものについて学ぶ。
第7回発達の問題として視覚障害とは何か、視覚障がいを生きることの意味、そしてそれが問いかけるものについて学ぶ。
第8回発達の問題として聴覚障害とは何か、言語としての手話(コラム15)について学ぶ。
第9回学習障害とは何か・学習障害を生きることの意味、そしてそれが問いかけるものについて学ぶ。
第10回幼児・児童虐待とは何か、幼児・児童虐待を生きることの意味、そしてそれが問いかけるものについて学ぶ。
第11回不登校とは何か、不登校を生きることの意味、そしてそれが問いかけるものについて学ぶ。
第12回ひきこもりとは何か・ひきこもりを生きることの意味、そしてそれが問いかけるもの、発達の問題として神経症とは何かについて学ぶ。
第13回神経症を生きることの意味、そしてそれが問いかけるもの、発達の問題として精神障害とは何か、そしてそれが問いかけるもの、認知症とは何かについて学ぶ。
第14回認知症を生きることの意味、そしてそれが問いかけるもの、生きるかたちと断念(コラム19)・多様な保育ニーズへの対応、子育て支援のシステム(コラム20)について学ぶ。
第15回4.発達臨床の現場 
発達支援センター、インテグレーション、インクルージョン(コラム22)、乳児院・児童養護施設・児童自立支援施設・母子生活支援施設、虐待への支援システム(コラム23)について学ぶ。
臨床発達心理学について学んだことを、将来どう活用できるのかを考え、レポートにまとめて提出する。(オンライン)