ECCP(論理的思考)Ⅱ
担当者
単位・開講先選択  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングSEM-204

授業の概要(ねらい)

ECCP 有資格者を対象に2年生クラスとして開講します。前期の継続です。文系の論理的思考とは必ずしも数学的論理ではなく、自分の考え方に筋がとおっていること、それをできるだけ正確に表現できること、を基本とするものです。人は「数字」か「ことば」でモノを考える。2年クラスでは、後期でも現代事象とテーマを手掛かりに、ふだんのクラスでは触れることが少ない論題をとりあげ、興味と視野を広げ、自分なりの考え方をまとめる訓練をしていきます。テーマごとに自分の考えを記述コメントするか、小論作成をして提出してもらいます。引き続き、2年生には主に映像資料を補助材料として使用予定です。

授業の到達目標

前期と同じ目標です。後期ではより書くことに力点をおいていきます。

成績評価の方法および基準

前期を踏襲します。講義ごとに求める記述コメント(40%)、最終小論(60%)で総合的に最終評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

前期と同じく、国内国際テーマに広く関心をもっておくこと。そのためにも日頃のニュースと、その背景に関心を寄せておくこと。

その他履修上の注意事項

ECCP全体に通じることですが、欠席は大きな損失になる。従来、ほとんどのECCP履修生が高い出席率を記録しています。しかしながら、出席率が高いだけで良い成績が保証されるとは思わないこと。シラバスの内容は前年度を参考にしているため、随時新しいテーマに替える可能性があるので注意すること。ECCPではどのようなテーマを扱って講義を進めているのか、それを理解するための参考としてもらいます。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンスを兼ねて、前期の最終試験結果を元に履修生に何がまだ足りないか、指摘してこれからの学修に生かしてもらう。これはLMSオンラインで実施する予定。
第2回「18歳選挙権」を考える。世界の潮流と、日本の高校ではたして投票権を使える政治教育がなされているか。自分たちの経験を踏まえ、何が18歳選挙権の行使を阻み、結果的に若者を政治参加から遠ざけているのか考える。
第3回同テーマで議論と小論作成
第4回西宮神社「一番福男」騒ぎにみる、「正直のありかた」を考える。新春に行われる西宮神社一番福男レースで「インチキ」をした消防士の話を素材として。消防士という特殊な公務員の在り方をどう考えるべきか。
第5回東京の名門ホテル・オークラの本館建て替え計画に国内からは何の反対もでなかったのに、イギリスをはじめ海外から近代建築遺産を利便性や経済利益の観点だけから取り壊すべきではない、と抗議の声があがった。近代化とは「建て替え」を意味しないという考え方を学び、意見をまとめる。
第6回映像記録「広島に米大統領が来た日」。オバマ大統領の広島訪問のとき、受け止めた広島市民の反応から何を考えるか。
第7回LMSオンライン講義で実施。テーマについてはその時点で指示します。
第8回原爆開発にあたり、原爆投下作戦に参加したアメリカの元科学者が広島を訪れ、被爆者と議論したドキュメンタリーを見る。謝罪か拒否か。75年以上経過したいま、人類史上初の原爆投下と被害を冷静に見つめることができるのか。
第9回同テーマで議論継続
第10回大学の経済学論文集から「悪文」の例をとりあげ、履修学生諸君に添削してもらう。大学の先生でもいかに悪文を書く例があるのか、知ってもらい、文章修正のエクササイズをする。他人の文章を修正訂正をできるためには、文の構造をきちんと把握しているかが問われる。
第11回中国経済の力を無視できないアメリカのプロスポーツ界。中国で人気のプロバスケット・ボールがテレビ放映権料のために若者の抗議行動で揺れる香港問題に目をつむったと批判された。ビジネス利益は人権やモラルなどの普遍的価値を凌駕するのか。その事例を考える。
第12回「イノベーション」とは何か。誕生から60年以上になるインスタント・ラーメンは世界の食べ物となった。安藤百福さんという特異な人物像をたどり、日常の中から新しいものを生みだしたエネルギーの源を考える。
第13回海上保安学校のルポ映像。そこで研修訓練する学生諸君と同年代の若者たちが、なぜ海上保安官を目指しているのか。社会へいずれは出ていく学生諸君がどう思うか、コメントでまとめてみる。
第14回この時点で話題となったテーマを選択する予定。(たとえば東京オリンピックー開催か中止かでテーマ設定が変わる)
第15回総括と小論テスト。