相続法
担当者田中 佑季教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-208

授業の概要(ねらい)

 「相続法」(民法第5編「相続」)は、亡くなった人(被相続人)の有していた財産等の承継に関するルールを定めています。この授業では、「相続法」に関する基礎的な知識を修得し、相続法に関わる問題を法的に検討することができる法的思考力を養うことを目的とします。
 家族をめぐる状況は日々変化しており、相続法も親族法と同様に、時代や社会に応じた変化が求められています。近年、高齢化の進展といった社会情勢の変化などに応じて相続法全体が大幅に見直され、2018年には相続法が大きく改正されるなど、日本の相続制度は大きな転換期を迎えていると言えます。改正相続法には、配偶者居住権や特別寄与料の制度の新設など、現代社会の状況に応じた重要な改正内容が含まれています。授業では、近年の改正内容も踏まえ、相続法の基本的な枠組みについて具体例を挙げながら分かりやすく解説していきます。また、近年の重要判例にも触れながら現代的な課題についても検討していきます。

授業の到達目標

①相続法(法定相続、遺言相続)に関する基本的な知識を修得し、概念や問題点などを説明することができる。
②相続法に関わる問題を法的に検討することができる。
③改正法の内容を理解し、相続制度について自身で考察することができる。

成績評価の方法および基準

期末試験、小テスト(授業の中で数回実施予定)により総合的に評価します。
*初回授業の際に詳しく説明します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『親族・相続法[第3版]』犬伏由子・石井美智子・常岡史子・松尾知子弘文堂、2020年
教科書*相続法(家族法)に関する教科書を各自用意してください。
参考文献『民法7 親族・相続[第6版]』高橋朋子・床谷文雄・棚村政行有斐閣、2020年
参考文献『民法Ⅵ 親族・相続[第5版]』前田陽一・本山敦・浦野由紀子有斐閣、2019年
参考文献『詳解 相続法』潮見佳男弘文堂、2018年
参考文献『民法判例百選Ⅲ親族・相続[第2版]』水野紀子・大村敦志 編有斐閣、2018年
参考文献*初回授業の際に詳しく説明します。
参考文献*各回授業レジュメを配布する予定です。

準備学修の内容

①各回の授業で提示する次回の授業内容について、教科書や参考書などを使用しながら予習を行い、概要を把握しておくこと。
②授業で説明した内容について、レジュメや教科書、参考書などを使用しながら復習をし、理解を深めること。

その他履修上の注意事項

①親族法に関する知識が前提となりますので、親族法の授業を履修済みであることが望ましいです。
②受講する際には、六法(いずれも可)を必ず参照してください。
③授業内容を十分に理解するため、積極的に授業に臨んでください。
④各回の授業内容について十分な復習を行い、理解を深めてください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス、イントロダクション-相続法の概要、相続法をめぐる最近の動き
第2回相続法の基礎-相続制度の意義/相続の方法など
第3回相続人・代襲相続/相続資格(相続欠格・相続人の廃除など)
第4回相続分(1)法定相続分
第5回相続分(2)相続分と特別受益・寄与分
第6回相続の効力/相続財産の範囲
第7回相続財産の共有
第8回遺産分割(1)遺産分割の意義/遺産分割の対象となる財産
第9回遺産分割(2)遺産分割の方法/遺産分割の効果など
第10回相続の承認及び放棄
第11回相続回復請求権
第12回遺言相続(1)遺言制度の意義/遺言の方式など
第13回遺言相続(2)遺言と遺贈
第14回遺留分制度
第15回まとめ

*以上の授業内容及び順序は、授業の進行状況によって変更する場合があります。
*1回分の授業についてはオンライン授業を実施します。オンライン授業の日程などの詳細は授業の中で説明します。