宗教学Ⅱ
担当者高橋 裕史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングRES-102

授業の概要(ねらい)

*本講義はコロナ対策の一環として、受講者数を抽選によって50~60人程度に制限します。
 宗教学Ⅰでも指摘したように、現在の私たちの日常生活において、宗教を強く意識する機会や局面は少ないが、私たちが宗教と接する/接している場面は意外に多い。例えば、パレスチナ問題の淵源は、旧約聖書の記述に端を発していることを、どれだけの人が知っているだろうか。国際化の激流に飲まれている日本/日本人にとって、宗教の知識は重要なリテラシーの一つとなっている。秋季の宗教学Ⅱでは、宗教の持つ様々な側面や役割について、歴史の文脈を中心に見つめ直し、宗教に関する歴史的知見の涵養に努めることにする。

授業の到達目標

①宗教が歴史において果たしてきた役割と現代との連続性についての基本的な要点を理解すること。
②上記の方法を身につけることで、宗教への偏見や誤解を無くし、宗教と理知的に接する姿勢を習得する。

成績評価の方法および基準

 日本の大学の単位修得が容易過ぎるとの批判を受けて久しいが、この授業では、成績評価を厳格に実施する。前年度の本講義の単位「非認定」率は35%ほどで、「楽単」とは言い難いかもしれない。
・そのための具体的な方法は、以下の通りである。
  ①複数回の講義内試験40% 中間試験30% 最終試験30%を基準とする。
  ②レポートを課した場合、レポートの期限までの提出が、平常点に加味される。
   *レポートの課題は、インターネットでのコピーによる安易な作成を防ぐために、高橋が配布した文献の内容に関する解答を中心としたものとなる。レポートは指定した講義日の開始時に回収する。
  ③出席は単位認定を担保するものではない。つまり、皆勤であっても試験等の成績が悪ければ単位の認定は難しい。
  ④講義時の態度も、単位認定および成績評価に反映される。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書・特定の教科書は無いが、講義の際に必要に応じて紹介する「参考文献」が、教科書に準じる教材となる。
参考文献各回において、必要に応じて紹介する。

準備学修の内容

・キリスト教と仏教の歴史に関する基礎知識を整理するため、現代新書、岩波新書、中公新書の中から、左記2宗教に関するものを選んで読んでおく。
・少なくともこの授業では私語を慎み、分からない部分が多くても、将来の自分への自己投資と思って我慢強く講義に望むことを、自分に言い聞かせること。

その他履修上の注意事項

*なお、このシラバスの記載内容とは、多少異なる形やテーマで、実際の講義が進む可能性もあることを、了解されたい。
①「おしゃべり」「電話」は厳禁とする。した場合この講義の履修を事実上「放棄」したものとみなし、即座に教室から退室してもらう。
②受講態度=遅刻、私語、内職、講義の途中退室、やる気のない態度や姿勢(イヤホンやヘッドホンを着用し、椅子にだらしなく腰掛けるなどその他)の悪い学生、真面目に事業を受けようとしている学生諸君の気力に水を差すような言動をする学生については、受講を認めない。
③受講学生である諸君一人一人の態度や姿勢が、帝京大学の「今と将来」の社会的「評価」を、延いては諸君自身の能力・人間性・社会性そのものを決定する、ということを肝に銘じてほしい。
④大学の授業は高校の授業の延長では無いので、その積もりのレベルと内容の講義をするので、心得ていて貰いたい。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(講義内容の説明、守るべき規範事項の説明、講義の進め方その他)。
第2回なぜ宗教史は必要なのか。
第3回宗教学の中の「宗教史」。
第4回代表的宗教に関する「誤解」「無知」。
第5回宗教史に無知であるとどうなるか。
第6回イエス・キリストについて。
第7回キリスト教の成立。
第8回キリスト教の展開と拡大。
第9回犯罪者としてのユダヤ人。
第10回「聖戦」と「正戦」。
第11回日本の仏教史概観。
第12回仏教徒鎮護国家の時代。
第13回明治の国家神道と廃仏毀釈。
第14回日本の寺院環境の現状について。
第15回まとめと「試験」 注意:試験は定期試験期間での実施もあり得る