地誌学概論Ⅰ
担当者岡部 遊志教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングHUG-201

授業の概要(ねらい)

 本講義では「地誌学」という学問を扱います。地誌学とは,対象となる地域を定め,その地域の様々な事柄を学ぶ学問です。
 なぜ,いろいろな地域を学ばなければならないのでしょうか。それは他の地域のことを学び,自らを相対化して見ることができるようになるためです。
 地域は単純なイメージと結びつきやすい傾向があります。世界や日本の様々な地域に関する情報もインターネットやテレビなどで容易に入手できます。例えば,グローバル化の進展により,私たちの周りには外国製品が溢れ,テレビやインターネットを見れば,いろいろな地域のニュースが目に飛び込んできます。私たちはこうした入手しやすい情報を組み合わせ,「〇〇という国/地域は・・・」という一面的で短絡的な見方をしてしまいます。
 しかし,多くの国や地域はそれほど単純には捉えることはできません。ある一つの地域においてもその内部には多様性があり,一面的には捉えられません。もちろんこれは世界でも日本においても同様で,世界や日本の各地域にはそれぞれの多様性があります。こうしたことを踏まえた上で知らない地域を知ることは非常に楽しい経験になりますし,自らの地域を相対化して捉えることにつながります。
 こうした多様性を理解するためには,まず,地域についての基礎知識を獲得し,その上で地域を複数の側面から分析することが欠かせません。まず,講義では,特に自然・気候的な観点,農業・工業の観点,社会・経済的な観点に着目し,対象地域の基礎的な事項を学びます。そして,知識を定着させるために復習の課題を課します。また地域を分析するためにレポートを課し,実際に地域について多様な観点から調べてもらいます。
 なお,本講義ではまず地誌を学ぶことの意義などについて概説した後で,世界や日本の各地域をピックアップしその地域の地誌について解説します。またIでは世界地誌を,IIでは日本地誌を扱います。

授業の到達目標

世界の様々な地域やその地域の経済について基礎的な知識を習得し,分布を説明できる
地域に関する重要な概念について理解し,事例をデータを用いて分析できる
事例を分析し,地域を多面的に理解する

成績評価の方法および基準

世界の様々な地域やその地域の経済について,基礎的な知識を習得し,分布を説明できる:予習復習・授業内の演習(参考文献の白地図と問題集を使用する):40%
地域に関する重要な概念について理解し,事例をデータを用いて分析できる:期末テストの記述問題 40%
事例を分析し,地域を多面的に理解する:レポート 20%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは用いませんが,参考文献を用います。購入するか,図書館を用いるか,コピーをするなどして,用意しておいてください。
教科書
参考文献『新詳 資料地理の研究』  ※この資料でなくとも構わないが,中学や高校の地理の教科書や資料集があると望ましい。帝国書院
参考文献『最高水準問題集 地理 中学1・2年』文英堂編集部 編文英堂
参考文献『中学社会 白地図書きこみノート すっきり整理されるから、忘れない。』学研プラス(編)学研出版

準備学修の内容

予習:資料集などを参考にしながら,事前に指示された白地図のワークを行う。
復習:授業で行った箇所の復習を問題集を用いて行う。
LMSを通じた追加の課題が出されることもある。

その他履修上の注意事項

地誌学概論I・Ⅱと両方履修すると世界と日本の地誌が学べるため,両方履修することが望ましいです。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション -世界の地誌を学ぶ意義と世界の地域区分-
第2回ヨーロッパの自然地誌と農業
第3回ヨーロッパの工業と経済
第4回ヨーロッパの政治、EUの成立と現状
第5回EUと福祉政策と都市政策
第6回ヨーロッパの移民や文化
第7回南北アメリカの自然地誌
第8回南北アメリカの農業・工業
第9回南北アメリカの経済
第10回アジアの自然地誌・農業
第11回南アジア・中東地域の工業と経済
第12回東アジア・東南アジアの工業と経済
第13回アフリカ・オセアニアの地誌
第14回グローバル化の中の日本
第15回講義のまとめ